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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
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2006.01

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 チャオ
20060131092707

チャオはブチ達の兄弟です。
目の周りを隈取した浮世絵風の美形猫なのですが、
写メ−ルでは ふつうだなあ・・・?
ちょっと神経質になっているので
他の兄妹とは別に寝かせています。

今日は朝からブチが調子悪く、病院に行ったりで
大変でした。病名 便秘・・・
たかが便秘、されど便秘 あなどれません。
ブチも もう十一歳になりました。
と言う事は、チャオやチャコ、クロも
十一歳なのです。
大事にしてあげなくてはと実感です。

 (前回のつづき)

外に出たアボカドを
十数人の男女が あっと言う間に取り囲んだ。
彼らの目の中で憎しみの炎が燃えている。
アボカドは崩れるように土下座した。

「許してください、あなた方の人生を
 無茶苦茶にしてしまいました。
 殺してほしいと思いますが、
 私は・・・もう・・・死んでしまいました」

アボカドは頭を地面にこすりつけながら、
体を痙攣させて泣いている。

「絶対に 許さない」

あちこちから声が聞こえてくる。

「死んでも 許さない」

恨みをはらそうと人々が、 
じわじわとアボカドに近づいてくる。

何とかしなくてはと思ったとき、
ママが人垣を掻き分けて入って行った。
ママはうずくまっているアボカドを抱き、
周りにいる人達に必死に呼びかける。

「この人は今、
 許しを乞うているの。
 あなた方は皆、謝っても謝っても
 許してもらえなくて、
 苦しんだ人達ばかりでしょ、
 この人の気持ちがわかるはずよ。
 人を恨んでも絶対幸せにはならない。
 だから、たとえ許すことが出来なくても、
 どうぞもう、恨まないであげて、
 彼は反省しているのよ」 

ママはむせび泣きしながら、
恨まないで、を繰り返している。

人々の間を、動揺が走り回っているのが見える。

「この男は死んだ。私は生きている!」

誰かが叫んだ。

「死にたくない。生きたい」

別の誰かが言った。

「そうよ、あなた達はまだ生きているのよ。
 生きようとしなくちゃダメ。
 他人の為に自分の人生を捨てないで」

ママの言葉が終わると、
立ち並ぶ人々の姿がしだいに薄くなり、
やがて完全に消えてしまった。

「さあ、もう誰もいなくなったわ
 中に入りましょう」

ママがアボカドの腕を持った。

ママの店の常連にアボカドが加わった。
あの人達はどうなったのかなと私が聞くと、

「行っちゃったってことは、
 生きてるってことかな・・・」

ママが嬉しそうに答えた。



夢1




ママの店1


ママの店2


ママの店3


ママの店4


ママの店5


ママの店6
2006.01.31. (09:27) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 チャコ
20060130073606

チャコはブチやクロの妹。
前足でモミモミしながら、人間の指をチュパチュパ吸う。
ナナが子離れした直後、育ての親になり、
あだ名は「擬似ママ」。
カリンやトウは今でも時々
チャコの出ないオッパイに吸いついている。


(前回のつづき)

「ほっといてくれ ! 」
アボカドが
いきなり大声を出して立ち上がった。

「おい ! ママにひどいことしたら
 承知しないぞ」
私はママの所へ飛んで行き
アボカドを怒鳴りつけた。

アボカドは目を細め、
私の頭から足先まで見下ろしている。

「なんだ ? おまえは」

「ママの友人だ、文句あるか」
私は身を乗り出し、
アボカドの頭を噛めるくらいに近づいてやった。

アボカドが腰をひいた。

この男は自分より弱い者にしか
威張れないのだ。

私の身長はアボカドを遥かに超え、
あっちは脂肪、こっちは筋肉だ。

「大丈夫よ、この人 自分のしてきたこと
 本当は後悔してるのよ。
 それを知られるのが恐くて
 興奮しただけなのよ」

「俺は後悔なんぞしてはいない ! 」
アボカドは怒りで顔を真っ赤にして喚いた。
「俺は悪くないぞ、不愉快なやつらだ !
 もうこんな店出てやる。カネはいくらだ、
 千円で足りるだろう。
 コ-ヒ-一杯だからな」

アボカドはバッグから財布を出そうとしたが、
バッグは空っぽ。
赤かった顔が、たちまち色を失った。
ジャケットのポケットを探しても、
お金はどこにも無い。

「あ・・・金を忘れてきたようだ。
 後で持って来るから・・・」
アボカドのエンジンがしぼんでゆく。

私が何か言う前に、ママが先に声をかけた。

「この店に来るお客様には、
 お金なんて必要ないんです」

アボカドは怪訝な顔をして
「しかし、メニュ-には・・・」

「どこにも値段なんて
 書いてないでしょう ? 」
ママはアボカドにメニュ-を渡した。

食い入るようにメニュ-を見るアボカド。

メニュ-には何も書かれていなかった。

「白紙じゃないか、なんにも書いていない。
 さっきは確かに品書きがあった・・・」

「あなたが望めば出てくるわ」

ママの言うとおり、たちまちメニュ-に
品書きが浮き出てきた。

だらしなく口を半開きにして
呆然としているアボカドにママが言った。

「死人にお金はいらないわ、
 ここは死んだ人が来る場所なの」

ママの目がまた暗くなった。

「死んだ ? 俺が ? 」

「そうよ、あなた死んでるのよ」

ママがアボカドの頭の上に
サ-ッと手をかざす。

黒いレ-スの袖が
ヒラヒラと風に舞った。

それはほんの数分の間だったが、
アボカドは今、自分の人生を
見ているのだと私は思った。

放心状態から目覚めたアボカドの目から
涙があふれ出た。

「俺は、俺はいろいろな人を不幸にした。
 妻にも諭されたが、直そうとしなかった。
 人の悪はとがめるが、
 自分の悪には気がつかない人間だった」

「あんたは、お婆さんが倒れてきた時
 避けただろ ? そんな冷酷なことをするから
 バチがあたったんだよ」
私がそう言うと、アボカドは激しく泣き出した。

「そうだ、お婆さんには申し訳ないことをした。
 こんな俺は死んで当然だ。
 わかっていたんだよ、何もかも。
 妻にも心配かけた。
 しっかり者でやさしい妻だった。
 俺のたった一人の理解者だったのに、
 俺は言うことを聞かなかった。
 二人の娘にも、俺は嫌な男に見えただろうな、
 尊敬出来ない父親だった。
 いつのまにか食事も家族と別になっていた。
 俺は自分の部屋で一人でポツンと食事して、
 居間では妻と子供達が一緒に食べている。
 楽しい笑い声が聞こえてくるんだ。
 本当に寂しかったよ・・・
 俺は文句を言うのを理由にして、
 誰でもいいから家に来させて
 話がしたかったんだ。
 少なくても俺が怒っている間は、
 相手しなければならないからな。
 心のこもった言葉がほしかったんだ。
 たとえ嘘でもいいから、俺の目を見て
 話してほしかったんだ・・・」

泣いているアボカドを見ても
私は同情する気になれなかった。
こいつのせいで、外の人達の人生は
メチャクチャになったのだ。

「あんたはトラブルメ-カ-だったんだよ
 あの人達の人生を返してやれよ ! 」

アボカドの涙は止まる暇がないようだった。
まだ言い足りない私を止めるように、
ママがいきなり口をはさんだ。 

「あなたが心から謝まれば、
 あの人達、きっと許してくれるわ。
 私が一緒について行ってあげるから
 外に出ましょう」

ママがドアを指差す。
外にいる面々を見て、
アボカドの体がブルッと震える。

「勇気を出すのよ」

アボカドは頷き、深呼吸を一つして、
ママに導かれるままドアを開けた。

               
              〜つづく
2006.01.30. (07:36) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 クロ
20060129090903

ブチの兄弟 
棍棒のような尻尾を振りながら家中を走り回り、
飽きたら人間目がけて飛びついてくる。
油断すると顔を咬むので要注意。
片言だが人間語をしゃべり、朝から喚く。

(前回の続き)

ドアの向こうにいる人達は 
全員カウンタ-の方を見ている。

視線の先にアボカド男がいた。

「な、何をしているのかな ? あの人達」
私の声が裏返る。

「恨んでいるのよ あの人達」
「恨むって、あの人のこと ? 」 
私は目でアボカドを指した。

ママは遠い目をして
「そうよ・・・」と言った。

ママは、この店に来る客のことを
何でも知っている。
「あの人はね・・・」
ママがドアの向こうにいる人の話を始めた。
「ほら、あの 青いジャンパ-を着た人
 あの人は家電メ-カ-に勤めている
 修理屋さんなの。
 まじめな人でね、朝早くから夜遅くまで
 テレビやビデオの出張修理をしていたわ。
 運が悪かったのね、あの日彼はとても疲れていたの。
 いつもなら、客のどんな質問にでも
 丁寧に説明していたんだけど、
 その時は少し言葉が足りなかった。
 ほら、社長を出せってすぐ怒鳴る人いるでしょ、
 そういう客だった為に彼の態度がとても悪く
 受け取られてしまったの。
 もう、いくら謝っても許してくれなくて、
 とうとう上司を呼んで
 一緒に謝ってもらうハメになつた。
 結果、責任取らされて彼はクビ。
 家のロ-ンと子供の学費に困り、
 奥さんはノイロ-ゼになって入院。
 その入院代も払えない彼は
 首を吊って自殺を図ったってわけ。
 今、集中治療室にいるけど、
 もうすぐ こっちの人になるわね」

「じゃ・・・中に入って来るってこと ? 」

「そうね」ママは暗い目をして頷いた。 
 
「あのウエイトレスさんはね・・・」

ママの話がウエイトレスの格好をした女性に移った。
「ファミレスに勤めていたの。
 あの日は日曜日で、
 店は家族連れの客でいっぱいだった。
 忙しすぎたのよね・・・
 一人で来ていた客の注文を
 調理場に通すのを忘れてしまったの。
 その客ってのが、あの人だったから
 大変なことになった」
 
ママの目がアボカドを見る。

「いつになったら料理が出てくるんだ !
 って大声で怒り出したわ。
 誰が注文を聞いたか確かめられて、
 彼女だとわかったの。
 そりゃもう平身低頭に謝ったけど、
 ムダ。
 たくさんの客のいる前で怒鳴られて、
 店長にも怒られて、
 泣くだけ泣いて 泣ききって、
 とうとう彼女の心が壊れちゃった。
 家から一歩も出なくなって、
 自分の部屋にひきこもってる。
 手首に何度もカミソリを当てているわ。
 彼女ももうすぐ こっちに来るわね。
 あそこの人も、あの白いヒゲの人も、
 あの人も、あの人も、みんな
 あそこでコ-ヒ-を飲んでいる
 あの人を恨んでいるのよ」  

ママはため息をついた。

外にいる人達のことはわかったが、
何でアボカドがここにいるのだろう・・・
私の考えていることがわかったのか、

「ちょっと目を閉じてみて、見せたいものがあるの」
とママが言った。

「目を閉じて心をカラッポにしてみて」

言われるままに目を閉じると、
駅のホ-ムが見えた。

男が立っている。
アボカドだ。

そして、向こうからお婆さんが歩いて来る。
お婆さんは青白い顔をしていて、
とても具合が悪そうだった。 
アボカドも お婆さんに気がついたらしく、
顔をしかめている。
お婆さんがアボカドの横に来たとき、
いきなり倒れ掛かってきた。
普通の人なら受け止めてあげるだろう。
それなのに、何とアボカドは
汚いものを避けるみたいに
飛びのいたのだ。

それが運命の分かれ道、
お婆さんはホ-ムで倒れ、
線路に着地した彼の上を特急電車が通過した。

何という死に方だ・・・

あきれているうちに場面が変わった。
今度はどこかの部屋にいる。
アボカドと一緒にいるのは奥さんか。
二人は向かい合わせで座っている。
ここは彼らの家みたいだ。

「あなたの つまんない怒りのせいで、
 あの人会社をクビになるかも知れないのよ。
 なんであそこまで言うの ?
 本社にまで電話することないでしょう。
 部長だか課長だかを呼び出して、
 土下座しろ ! は やりすぎよ。
 あなたと同じような年齢よ、
 きっとウチと同じで、
 家のロ-ンや子供の学費を抱えているわ。
 可哀相だと思わない ?
 あなたが家に人を呼びつけて
 大声で罵ってばかりいるから、
 子供の心も離れていくのよ。
 二人ともあなたを嫌っているわ」

奥さんはエプロンを顔に押し付けて
泣いていた。

また場面が変わった。

台所で母親と娘二人が会話している。

長女「何 ? 今度は電気屋に怒ってるわけ ? 」
次女「土下座 ! って叫んでたよ。
   ありゃ死なないとダメだね」
長女「死ねば いいのに」

母 「何てこと言うの、お父さんなのよ」

長女「食事も自分の部屋に運ばせて・・・
   一人で食べてくれるのはありがたいけど、
   夜中にブツブツ私らの悪口言うのが
   ムカツク」
次女「そうそう、独り言ばっかでキモイわ」
長女「やっぱ 死ね」

母 「あなた達・・・なんてことを」

これ以上 こんな会話を聞かされるのが嫌で
私は目を開けた。

いつの間にかママが
アボカドの側に行っている。 

                〜つづく
2006.01.29. (09:09) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 ブチ
20060128082704

ブチは体重が8キロもあり、性格がやさしい。
六年ほど前、ドライフ-ドのせいで
尿管閉塞になり死にかけた。
それ以降我が家ではドライフ-ドをやめた。


ママの店に行った。

カウンタ-には相変わらず先生がいて、
病院内でのグチをママにこぼしている。
私は 自分の場所と決めている
壁際のソファ-に座る。
そして 狭い店内を見回して、
この前一緒に学校に行ってやった
あの少年が来ていないのを確認した。

ママが私の側にやって来る。

「ねえ、あれから あの学生ここに来た ? 」
「来てないよ」そう答えてママは微笑んだ。

ここに来る客は、まだ自分への答えを
出せない人ばかりなんだと、
随分前にママから聞いたことがある。

あの少年は答えを見つけたんだ・・・
そう思うと何だか嬉しくなつてきた。

ドアがバタンと大きな音をたてて開いた。
ギョッとして見ると、
風とともに、男が一人入ってきて、
滑るようにカウンタ-の席についた。
背のあまり高くない小太りのその男は
茶系のブレザ-を着ていて、黒い
セカンドバックを持っていた。

どこが どうだからと言うのじゃないが、
何かイヤなタイプだと思った。

ママがカウンタ-に入り男の前に行った。
「いらっしゃいませ」ママが笑顔で挨拶したのに、
男は白けた声で「メニュ-・・・」と言った。
男にメニュ-を渡して
「何でもありますよ、お客さんのお望みのもの」
とママが言うと、男はホホゥ-・・・と言いながら
ママの顔を見た。

イヤな感じが的中した。

「ということはメニュ-以外にも出来るってこと ? 」
意地の悪そうな声で聞く。
「ん・・・じゃあ・・・アボカドジュ-ス」

よりにもよってアボカドかい ! 
私はママの顔を見た。

ママはニコニコ笑いながら
「はい、それならここに書いてございます」
と言ってメニュ-を指さした。
「そんなもん、どこに書いて・・・」
男はメニュ-に顔を近づけて絶句したようだ。

あったんだ・・・アボカド・・・

私は愉快だった。

「アボカドジュ-スでよろしいですか ? 」
ママが聞くと、男は
「やっぱり コ-ヒ-でいいよ」と小さく言った。

カウンタ-に男が二人 離れて座っている。
一人は水割りのグラスを見つめている。
もう一人は、出されたホットコ-ヒ-を飲みはじめた。

ママが私の側に戻って来た。
「あの人、ヤなやつだねえ」と私が小声で言うと
ママは悲しい顔をして首をかしげた。
鳶色の目が涙で潤んでいる。
びっくりして、
ママ・・・? と声をかけると

ママは静かにドアの方を見た。

ドアの向こうに十数人の男女が立っている。

サラリ-マン風の人もいれば、
ウエイトレスの格好をした女性もいて、
工事関係らしい人や商売人のような人もいる。

その人達の視線は
さっきの客に集中しているようだ。

             〜つづく
2006.01.28. (08:27) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 ナナ
20060127072102

シュウ達兄妹のママです。
ナナのオットになるフクが我が家に来たのが初夏。
その年の冬、何月頃だったかなあ・・・
マンションのゴミ捨て場に
ガリガリに痩せた猫が住みついていると、
教室の生徒が教えてくれた。
可哀相になあと思っても、
我が家にいる猫の数を考えると
どうしようもなかった。
翌日買い物に出た時、その猫を発見した。
本当にガリガリに痩せて・・・
こりゃもう 冬越せないねえ、と私は独り言。
買い物終わって またそこを通ったら
同じ猫がいた。
手を差し伸べると、シャ-とふいた。
「おまえがもし、私の家に来たいなら
 こっちにおいで」
そう言いながらもう一度手をのばすと
何と、おとなしくしている。
約束だから、連れて帰った。

七番目の猫だから
ナナと言う名前にした。
2006.01.27. (07:21) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 これはチト昔の…
20060126102106

これは誰-れだ ?
自衛隊の頃の写真でーす!

2006.01.26. (10:21) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 フク
20060126072704

チャー達 五匹のパパ猫のフク。
フクには尻尾がありません。
ちぎれたのでもなく、切られたのでもありません。
そういう種類の猫です。

フクは 八年ほど前、
去年亡くなった父が連れてきました。
その時はすでに、ゴンとブチ兄妹がいたので
最初は 絶対ダメ ! と私は言いました。

だって、すでに 五匹もいたのですから。

見たら 可哀相になります。
だから、見ないように頑張ったんですが、

「まあ、見てやって・・・尻尾も無いし・・・」

父の言葉に 最初すぐ思い浮かんだのが

虐待でした。

そこいらの 変態が尻尾を切った・・・
そう思ったのです。

私は見る どころか
抱きしめていました。

名前も、幸福になりますようにと願いをこめて
フク とつけました。

でも、半年後に ナナと出会い、
生まれた子供達を見て
初めて フクが
尻尾のない種類の猫だとわかりました。

だって、シュウもチャ-も
とてもとても短い尻尾だったのです。
2006.01.26. (07:27) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 トウ
20060125082703

トウは お父さんそっくりで、細っそりとした小さな娘です。  
カリンとは双子。
でも、トウは男の子みたいに冒険がしてみたいようで、
どんな高いタンスの上にでも 上がろうと考えています。

(ママの店 前回のつづき)

気がついたら薄暗い店の中にいて、
壁際にくっつけてあるソファ- に座っていた。

私がいつも座る 場所だ。

今日は私以外に二人客がいる。

カウンタ-に座って水割りを飲んでいるのは
近所の総合病院の先生で、
この前の事故から元気がなく、
ママが話し相手になってあげているらしい。

奥にあるソファ-には
学生服を着た少年が
テーブルにくっつけた頭を両手で抱え込んで、
なにやら悩んでいるようすだ。

ママが私に気がついてこちらへやって来た。

「あの子どうしたの? 初めて見る顔だけど」 

「ああ・・あの子はねえ、学校で いじめに遭ってるのよ」

「高校生なの? 」

「そうなのよ、一番大事な時なのにねえ・・・
 ねえ、あんた相談に乗ってあげてよ」

「えぇぇ? 何で私が・・・だいいち何を
 すりゃいいのさ」

ママはもう私の話なんて聞いてなくて、
その子のところへ行き 私を指さし、 
あの人が相談のってくれるよ
などと無責任なことを言っている。

しかたがないので渋々近寄って行ったら
いきなり瞬間移動してしまい、
どこかの学校の教室にいた。


一つの机に花瓶がある。

あぁ、お決まりの お葬式ってやつか・・・

私の横に少年が暗い顔をして立っている。

机の周りには誰もいなかったが、一番近くにいる
悪そうな男子を選び、説教をしてやろうとした。

「なあ、おまえ 何でこんなことするんだ、
 聞いているのか? なあ、返事をしろよ」

そいつはゴリラのような大男で、
学生服など およそ似合わない
不細工な悪ガキに見えた。

私が 昔よく喧嘩した相手に似ている。

こういう野郎は力はあるが 動きがにぶい。
自分を恐れる相手には強いが、
一度恐怖を体験させてやると、
ネズミのように小心者になる。


「おいっ ! シカトかよ ! 」

胸倉を掴もうとしたが、

なんと 私の手は何も掴んでいなかった。

ゴリラのそばに同じようなワルが数人寄って来た。

こいつらか・・・と思って見ていると

いかにも今シンナー吸いましたというような
痩せ気味で 顔色の悪い少年が
ボソッとつぶやいた。

「山本のやつ、本当に死んじまうなんて思ってなかったよ」

「そりゃ、俺らがあいつをイジメタから・・・」
他の誰かが そう言うと、ゴリラが急に泣き出した。

おんおん という泣き声をあげながら、
ゴリラは机の上にある花瓶を
両手で大事そうに包み込んだ。

「もう、いいだろ? こいつら反省してるよ・・・」

私は少年を見た。

少年は照れくさそうに笑って頷いている。


そして私はまたママの店に瞬間移動した。

「どうだった ? 」とママが聞く。

「イジメっ子達は 充分反省してたよ。
 
 って言うか、あの子 

 もう死んじゃってるじゃない・・・」
 

「あたりまえよ、ここに来る人はみんな
 
 もうあっちの世界にいられなくなった
 
 人ばかりだもの・・・」 

 
 そう言ってママは ウフフッと笑った。
2006.01.25. (08:27) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 カリン
20060124114806

シュウ達の妹のカリンです。
カリンには双子のトウがおり、
私達家族には見分けがつくのですが
他の人には どっちがどっちかわかりません。
強いて言えば、
カリンはトウより少しデブちゃんです。

今の時季、我が家では
湯たんぽ合戦を繰り広げております。

昼は猫達の為に四個の湯たんぽを作り、
夜は人間のがプラスされて
八個の湯たんぽを作ります。

湯たんぽを作った人だったら、
それがどんなに大変な作業か
おわかりになるかと思います。

猫はともかく、人間は
何もそこまでケチしなくても
電気毛布を使えばいいじゃないなんて
思われるかもしれません。

電気毛布使っていたんです三年前までは。
それが・・・

静電気が体に蓄電してしまうのです。

電気製品はみんな同じですが、
体に直接当たる電気毛布はとくに
激しく蓄電してしまいます。

体内を電気が駆け巡るのですから
そりゃもう不愉快です。
お腹の中をグルグルまわっているのが
よくわかります。
鼻に来たらムズムズ気持ち悪く、
唇までビリビリしてきます。

テレビの番組で、ライタ-を擦れば
電気が抜けると知りやってみましたが、
抜けたかな? と思ったとたん
また蓄電したのがわかりました。

我が家には電気製品が多すぎるようです。

だから、今は湯たんぽ使っているのです。

自然発火を起こして、
体の中が燃えるのは

イヤですから。
2006.01.24. (11:48) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 チャー
20060123072719

チャーは、シュウとシマジロウの兄弟。
シュウとよく似ているが、
毛の色がシュウより濃い。
シュウがミルクコーヒーなら、
チャーはオレンジキャラメルだ。

シュウもチャ-も人間にしか懐かず、
猫達の間では孤立している。

二匹ともハ-トの形をしたクッションが大好きで、
それを枕にして寝ている。

我が家は猫が多いので、
臭いと抜け毛の対策をしなくてはいけない。

掃除機は毎日5〜6回かける。

砂もいろいろな種類があるが、
トイレに流せて且つ臭いを吸収するもの。
糞には出来るだけ絡みつかず、
尿だけガッチリ固めるものが良い。
そして値段の安いもの。 
今のところベントナイトと言う
土から出来た砂が一番使い良いと思う。

しかし何よりも、食事に一番気をつわなければならないと思う。

○ャラットとかフリ○キ-とかのドライフ-ドは最悪で、
泌尿器疾患になりやすい。膀胱に砂のような物が溜まり、
尿が出なくなる。
血尿から腎不全を起こし、死にいたる。

サイエンスダイエットは大丈夫みたいだが、
我が家では一日二回、鰹節ご飯に栄養剤を混ぜて
食べさせている。

そして寝る前は、温めた牛乳を飲ませる。

なんか人間より、大事にされているなあ・・・
2006.01.23. (07:27) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 シマジロウ
20060122120008

今日の猫はシマジロウ。
シュウの兄弟。
彼はとても小心者で、いつもビクビクしながら悪戯をする。
尻ぐせも悪く紙オムツを着けられている。


(ママの店)
 
私には、夢の中で必ず行くスナックがある。
その店は現実では存在しない。

私は、その店の古さと、
狭くて薄暗い雰囲気が気に入っている。

中年のママは地味で、とりたてて美人でもないが、
やさしくて暖かい。

その人柄に惹かれて訪れる客達とは皆顔見知りだ。

今日は珍しく客は私だけ、
ママが嬉しそうにトランプを持って来る。

ママご自慢のトランプは普通の三倍の大きさで、
一人でシャッフルするには私の手が小さすぎる。

半分をママに渡した時、外で叫び声がした。

あわててドアを開け、声のした方を見ると

道路一つ隔てた向こうにある総合病院のあたりで
人だかりが出来ている。

事故かしらとママが不安な声を出す。

向こうから男が走って来て、
子供が落ちたと早口で言いながら通りすぎて行く。

「死んだの?」と後ろから声をかけると
男は振り向き、
「たぶん」と答えてそのまま行ってしまった。

嫌がるママの手を引っ張って見に行くと
病院の表玄関にある階段の下で
小学生くらいの男の子が
頭から血を吹き出して倒れていた。

手も足も曲がるはずのない角度に曲がっている。

医師と看護婦が子供の頭をガーゼの塊で押さえる。
瞬時に白いガーゼが朱に染まる。

医師がタンカを!と叫んだ時、

ママが帰ろうと言って私の手を引っ張った。

店にもどってから

「あんなの見ても恐いだけじゃない」とママが言い、

トランプの続きをやろうとしたが、

二人ともとてもそんな気になれなくて、

大型トランプを机の上に置いたまま

ボーッと外を眺めていた。

そのとき顔見知りの医師がやってきて、
店には入らずドアの横の壁にもたれてタバコに火をつけた。

私はこの先生を知っている。

彼は総合病院の小児科の医師だ。

私は彼の側に行って、

先生あの子は助かるのですかと聞いた。

「いや…ダメだろう」

そう言いながら彼は煙を吐き出し、
まだ長く残っている煙草を捨て靴底で火を消した。

先生は行かなくていいの?と聞くと

「いや、私は小児科だから…あれは外科の分野だ」

「そんな…」

私は絶句した。

日頃の先生の様子が目に浮かぶ。

彼は医師でありながらパンを焼くのが得意だった。

時々、子供に人気のあるキャラの顔をパンにして、
病棟の子供達に配る。

そして毎日、外来の診療が終わると

すぐに小児病棟に行き、
日が暮れるまで子供達と遊んでやっていた。

とてもやさしい先生だと思っていた。

それだけに

「いや…あれは外科の分野だから」と言った彼の言葉が
信じられなかった。

分野が違っても医師にかわりはないだろうと、

言い掛けた言葉を飲み込んだ。

俯いた先生の目から涙がポタポタ落ちている。

白い巨塔 大病院の裏側…彼は孤独だったのだ。

子供達と一緒にいたのは寂しかったから。

子供達が可哀相だからではなく、
自分が一人ということに耐えられなかったのだ。

病院での彼には何の発言権もなかったのだろう。

或る日病院の屋上に上がった彼は、
一人寂しく夕焼けの空を見ていた。

そして、ダイブしたのだ。

オレンジ色に照らされた白衣が
彼を抱くように包み込み、
ヒラヒラと舞うように落ちて行くのが
見える。

思い出した・・・
彼はもう生きてはいない人だった。

「ねえ、トランプやろうよ」

ママがドアから顔を出した。

店の中に入るとテーブルの上にはトランプではなく、

アンパンマンとジャムおじさんの顔パンが置いてあり、

その二つのパンが泣いていた。
2006.01.22. (12:00) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 シュウ
20060121092407

シュウ、おまえはどんなかっこうをすれば可愛く見えるか、
よく知っているね。
こんなふうにペタッと床に張りつくなんて…。

もうあんまり可愛いすぎるから頭にタコを乗せてやった。

 
夕べの夢。
もうとっくに亡くなっている父と一緒に
マイクロバスに乗って出かけた。

どこかの大きな会館に入ると、パイプイスが並べてあり
一番前の席に案内された。
ひょっとして、お葬式なのではと思い辺りを見回すと、
黒いスーツを着た人も何人かいるし、普通の服装の人もいる。

私はベージュのスーツを着ていた。

やがて半透明のハトロン紙に包まれた死体が運びこまれて来る。

中年の女の人が私に近づいてきて、
先に前に出て名前を書いてくれと言う。
私は一番最後に書かせて頂きますからと返事した。 

さすが小説でホラーだのサスペンスだのを書いているから
死体の夢をよく見る。

血だらけの部屋の中に横たわる惨殺死体なんか見た日は
食事が喉を通らない。

2006.01.21. (09:24) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
 ゴン
20060120230321

 去年一番年がいっていたゴンちゃんが逝きました。
13才9ヵ月の生涯でした。

ゴン!お母さんは君が大好きだったよ!

どんなに大切に育てても、動物は人間より先に
逝ってしまいます。
そんなこと わかっていても、
最初から わかっていても、

寂しいなあ・・・
2006.01.20. (23:03) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
ハレルヤ

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