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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 カリンとシマジロウand ママの店


カリンとシマジロウは兄妹だ。
湯たんぽの独り占めをしたい為によく喧嘩しているが、
こうして仲良くくっついている時もある。
こういうツーショットを見るたびに、やっぱり
兄妹なんだなあ、としみじみ思う。

1 2 (続ママの店)

ベッドの横に椅子を引っ張ってきて
座った道雄さんは、
眠っている洋子さんの顔を見ながら、
声を殺して笑っている。

背筋が寒くなるような笑いだ。

その時いきなり部屋全体がグニャリと歪み、
気がついたら赤い灯りの点った
妖しいムードの部屋の中に移動していた。
目の前に丸い形の派手で下品なベッドがある。
その中で戯れている裸の男女、
女の方は見たことがなかったが、
男は何と道雄さんだった。

何故道雄さんがこんな女と・・・

私は胸がムカムカしてくるのを覚えた。

「ねえ・・・奥さんどうしてる ? 」と女。

「今日はおもしろいことをやったよ」
道雄さんがクックッと含み笑いをする。

「何があったの」女は枕元に手を伸ばし、
タバコを一本抜き取り火をつけた。

「子供をさあ・・・窓から放り投げる真似をしてやった」
道雄さんは女からタバコを引ったくり、自分の口にくわえる。

「ちょっ、もう・・・自分で取りなよ」
文句を言いながらも、
女はまた新しいタバコに火をつける。

「・・・で ? それでどうなったのよ」

こいつらはグルだ。
道雄は浮気をしている。

道雄は鼻から煙を吐き出し、
「あいつの頭は薬でボケになっている。
 窓から子供を放る真似をしてから、
 あいつに子供を渡したら、
 子供を抱いたまま窓の外を覗きに行きやがった」

女はタバコを持ったまま、
じっと道雄の話に聞き入っている。

「俺が子供にしようとしたことが、
 あいつにはわからなかったらしい。
 俺の顔を見て怪訝な顔をしたよ。
 そこで俺が叫んでやったのさ、
 おいっ洋子、子供を殺す気か ! ってね。
 そしたら、自分は知らないって泣きじゃくり始めた。
 そこで親父らを呼びつけて、
 洋子が子供を窓から放りかけたと
 説明してやったわけさ」

私の顔から血の気が引くのが解った。

「あんたもワルね」
女は笑い、フッと煙を吐き出す。

「で、どうやって殺るのさ」

「まあ・・・いつもどうりに薬を飲ませて
 首でも吊らすか、手首を切らすか・・・だな」

「私が病院に通って、
 ストレスだのノイローゼだのと泣きついて
 安定剤をもらう。
 あんたは奥さんを連れて病院に行き、
 あんたは看病疲れ、
 奥さんは姑にいびられてノイローゼということで
 二人一緒に安定剤をもらう。
 当然私らはそんな薬いらないから、
 ぜんぶ奥さんに飲ませてあげる。
 奥さんは毎食後に
 通常の三倍の量の安定剤を飲むことになる。
 もう、フラフラだわね、
 精神状態も変になること間違いない。
 多量の薬を飲み、自殺する・・・
 最高じゃん」

女がゲラゲラと笑い出す。

私は怒りのあまり、全身の震えが止まらなくなった。

その時、女が急に黙り込む。

顔に暗い影を落としながら、
低い声で女は恐ろしい言葉を吐いた。

「言い忘れたけど、
 奥さんは子供と一緒に自殺させるのよ」
2006.04.02. (00:21) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
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