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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 チャコ&ママの店& 晩御飯の一品


我が家の猫達の中でチャコだけに発情期が訪れる。前にも書いたが
そのときはモレーツに機嫌が悪くなるので、チャコがドラ声で鳴き始めると我が家の猫どもはみんな目を合わさないようにソッポを向く。
皆に無視されて一人ぼっちで床にひっくり返り、前足で耳をこすっている姿はちょっと可哀相だ・・・


「ママの店」

ママの店に行った。

「あら、いらっしゃい今日は早いわね。学校サボったわね」

ママが意地悪い声を出す。

「ちがうよ、今日は授業を取ってない日なの」

私は少しプンプンと怒ったように言い、口を尖らせた。

いつもの席に座ると、コーヒーを盆の上に乗せたママが
イソイソとやって来て私の横に座る。

「で、解決したの ? 例のお婆さんのこと・・・」

ママは目をクリクリさせて私が話すのを待っている。
ハハーン・・・本当はそれが聞きたかったんだ。
私は吹き出しそうになるのを堪えて、
コーヒーを一口飲んでから私が見た一部始終をママに
報告した。そして最後に、

「二人はとても幸せな再会を果たしたよ」と付け加えた。

ママは、そう・・・と言って満足そうに微笑む。

「奥さんは上、主人は下にいた。
 会おうと思えばいつでも会える距離なのに会えなかった
 二人とも会いたくてたまらなかったのに何故なんだろう」

私がそう言うと、

「物事にはキッカケが必要なのよ。豊がそのキッカケを作って
 あげたというわけね」

ママが目を細めて私を見ている。とてもやさい顔だ。
私はあの二人の話の他に、自分にかんすることで
いろいろママに聞いてもらいたいことがあった。
その気持ちは今朝目が覚めて、ここに来るまで確かにあった。
でも今は、何故かもうどうでもいいような気になっている。
コーヒーを飲み終わった私は、久々にブラブラとあちこちを
歩いてみようと思っていた。

「ママ、ちょっと用を思い出したから今日は帰るよ」

そう言うと、ママはちょっぴり残念そうに

「あら・・・もう帰っちゃうの、もう少ししたら
 中田先生達が来るから久し振りに皆で
 トランプでもしようかと思ってたのよ」

私はトランプと聞いただけで一刻も早く脱走したくなった。

「あ、そうだったの・・・いやあ、僕もやりたいんだけど
 ちょっと急ぎの用があってねえ・・・いや残念。では失礼」

慌てて席を立った私にママの声が追い討ちをかける。

「そんなに残念がるんだったら、用事がすんだら戻ってらっしゃいな。
 あんたが来るまで待ってるから」

ゲッ、待たないで、嫌だよう・・・・

「いや、それは先生達に悪いだろうから先に始めておいてくれないかな。
 それに僕も戻れるかどうかわから・・・」

「戻ってくるまで待ってるからね」

ママは微笑んではいるが、その目は絶対逃がさないという
脅しを含んでいる。

「わかったよ・・・すぐにもどってくるよ」

いっきに元気がしぼんでいった。

〜つづく

(ママの店12前編) (ママの店12後編)

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2006.06.28. (00:13) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
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