
我が家の猫達の中で唯一小さなトウ。
私はトウを「小さな人」と呼んでいる。トウは賢くて私がそう呼ぶと
ちゃんと返事する。自分は「小さい人」なんだと
わかっているのだろう。
ブログで書いた「ママの店」をホームページにアップするとき話の展開がスムーズになるように手を加える。筋が変わったりはしないのだが、
言い回しがブログと少し異なる。もちろん何回も読み直し、誤字がないか確かめるのだが実際アップしてから読み直すと・・・あるのだ。
大抵(ー)と伸ばす部分が変になっている。それと名前だ。
今回「13」ではママの前世である「しずえ」の夫「えいじ」のはずが
最後の部分で「りょうじ」になっていた。いきなり「りょうじ」が出て来るから、「りょうじ」って誰 ? てなことになる。
もちろん「りょうじ」はHPのオンライン短編集「帰りましょう家族のもとに」に出て来る「砂部良二」で、私の頭の中でこんがらがったのだ。
間違えやすい名前は避けなければいけないのだが、イメージが「えいじ」だったから仕方がない。「しずえ」と「えいじ」にどうしてもしたかったのだ。理由はない。
もう一つおかしかったのは、「ママがやさしい顔になった」が「ママがやさい顔になった」だ。野菜顔とはどんな顔 ?
別荘1 「ママの店」
店内は入り口に近いところから順番に、野菜果物類、卵、肉、
ハムソーセージなど加工品類、魚、調味料瓶缶詰レトルトパウチ類、
酒、一番奥には和洋菓子と焼きたてパンの専門店、
それからもっと奥には衣料品や雑貨の店が並んでいる。
ここのスーパーは奥行きがとても広い。
夕食の材料を買いに来た客で賑わう店内・・・のはずが、
カゴを乗せたワゴンを押す人々が
店内を無言のまま行き来しているだけ。
どの人も無表情で品物をカゴに入れている。
この人達は皆ゴスートで、ここは心霊スポット !
なあんて、ね。
冗談を思いつき笑おうとしたが、よく考えてみれば
冗談なんかじゃなくそれは事実のことだった。
ちぇっ、洒落にもなんないや・・・
買うもの買ってさっさと退散しようと思い、
レジに行きかけたとき誰かが私のズボンを引っ張った。
何だろうと下を見ると、白い提灯袖のブラウスに
赤い吊りスカートを穿いた小さな女の子が、
オカッパの前髪の下からクリクリとした大きな瞳を
涙で潤ませて立っている。
「どうしたの、何か用かい ? 」と聞くと、女の子は
「ママがいなくなっちゃった」と言ってシクシク泣き出した。
迷子か・・・舌打ちをしながら店内を見回したが、
子供を捜していそうな母親は見当たらない。
仕方がない、こういう時こそガードマン出動だ。
彼に仕事を与えてあげよう !
私はさっそく子供の手を引いて
スーパーのいり口まで行き、
死人のようにつっ立っている
ガードマンの彼を見つけて声をかけた。
「あの、迷子らしいんですがよろしくお願いします」
無表情で青白い顔をした彼が
どんな反応を示すか興味深々だった。
彼はこういう時の為に存在しているのだ。
もし、私が話しかけているのに無視したりしたら
しこたま文句を言って説教してやるつもりだった。
ついでに、何もしてくれないのならウロウロすんな、
この店が暗いのは全部あんたのせいだと言っちゃいたい。
ところが・・・
「わかりました、ご親切にありがとうございました。
早速場内アナウンスにて、
この子のお母さんに呼びかけてみます」
彼の顔に生気が蘇り、途端に血色がよくなった。
初めて聞いた声にも張りがあり、
それよりももっとビックリしたのは、
何と笑ったのだ。
「よ、よろしくお願いします」どもってしまった。
「ママ、どこへ行っちゃったのかなあ。
今からお兄ちゃんが捜してあげるからね」
こりゃどういうことだ、
話かけたらスイッチが入るようになっているのか ?
迷子の手を引いて足取りも軽く店内に入っていく彼を
私はただ呆然と眺めていた。
〜つづく
ホームページ上に今までの分を
「ママの店13」としてアップしましたので、ご覧ください。
(ママの店12前編) (ママの店12後編)その他の作品紹介
2006.07.20. (00:45)
小説 文学 /
TRACKBACK(-) /
COMMENT(-) /
▲