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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店


これは何 ? 掃除のモップ ?


いえいえ、シマジロウがお風呂から出たところでーす。
長かった雨が上がると温度がどんどんアップした。夕べはあんなに
寒いくらいだったのに、今日はもうクーラーがいる・・・

別荘

   「ママの店」

「とりあえず警察に連絡しておいたほうがいいのでは、
 それじゃあ僕は急ぎますので、
 後のことはよろしくお願いします」

「わかりました。お忙しいのに申し訳ありませんでした」

ガードマン君が頭を下げた。
私がここにいても何も役にたたないし、
それより早く家に帰りたい。DVDが待っている。

「きっとお母さんみつかるよ。じゃあね」

バイバイと手を振って行こうとしたが、
けいこちゃんは私の足に腕を巻きつかせたまま
離れようとしない。

「あっ、ダメダメお兄さんは何にも出来ないし、
 とても急いでいるんだ。
 こっちのお兄さんと一緒にいてくれるかな」

からみついた腕を離そうとしたが、
まるでイソギンチャクが吸い付いたみたいに離れない。
けいこちゃんは、口をへの字に曲げて、
離されまいと必死に踏ん張っている。
ガードマン君も離れるように説得したが、
けいこちゃんは首をブンブン振って、
このお兄ちゃんしかダメなんだと繰り返す。

かんべんしてくれよう・・・何がダメなんだよ。
泣けるものなら泣きたかった。

ガードマン君も根負けしてしまい、
訴えるような目で私の顔を見ている。

オイオイ・・・その目は何だ。
私にこの子の母親を探せというのか ? 
まさか・・・
なんでこの私がそんなことをしなきゃなんないんだ。
私はだんだん腹が立ってきた。

「君、何とかしてよ。僕も忙しいんだ。
 これから家に帰ってディーブイ・・・」

あとの言葉がごにょごにょと潰れて消えていく。
まさかDVDを見るから忙しいとは言えまい。
そんなことを言えば、DVDを使って
何か怪しいことをしているみたいに聞こえる。
いや、そこまで思わなくても、DVDを見ることが
そんなに忙しいことなのかと言われたら・・・

いや、いや、いや、とにかく私は何も関係ない。
この子は迷子なんだから警察に連れて行けばよい。

その役目は「ガードマン君、君の役目だろう ! 」

とんでもなく焦っていた。
このままではこの少女を押し付けられる。
私は子供が苦手だ。
いったいぜんたいどうすりゃいいのさ、

何でこの子はさっきから
私の足にしがみついている・・・?
力を込めてひっぺがしたら、
きっと大声をあげて泣くに決まっている。
そうしたら、まるで私が少女に乱暴したみたいで、
ものすごく立場が悪くなるではないか。
それでなくても、もうすでに周りの客達が
おかしな顔をしてこちらを見ている。
私は泣きたい思いでガードマン君を見た。

おっ、何かガードマン君の目つきがおかしい。
あれは私を疑っている目だ。

「あの、もしかしてあなたはこの子のお父さんでは・・・」

来た、来た、来た ! と私は思った。
こういう展開になるような気がしたのだ。

「し、知りませんよ、
 僕はこの子と今日初めて会ったんですよ。
 何てこと言うんですか」

「いや・・・失礼だとは思ったんですが、
 あまりにもこの子があなたに固執するので変だと
 思いましてねえ・・・」

「パパッ ! 」少女はいきなり私をそう呼んだ。
瞳をウルウルさせて、
嬉しそうに私を見上げているではないか。

うっ・・・・まずい・・・
ガードマン君の顔から完全に笑顔が消えた。

「いや、いや、とんでもない、この子は嘘をついている」

私は焦ってしどろもどろになりながら、女の子に向かって

「こらっ、嘘はいけないよ。お兄さんは君のパパじゃない ! 」

思わず大声で怒鳴ってしまい、
しまったと思ったときはすでに遅しで
耳の鼓膜が破れんばかりの女の子の大きな泣き声が
店内に響き渡っていた。

〜つづく

ホームページ上に今までの分を「ママの店13」としてアップしましたので、ご覧ください。

(ママの店12前編) (ママの店12後編)

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2006.07.22. (00:22) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(0) /
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