筆者  活動状況  オンライン小説  新刊+出版本  更新情報 ブログ
メルマガ Link HOME MAIL


fc2-BlogRanking   Blog Entry
管理人

樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

    モバイル版を開設しました!
月別ログ
カテゴリ
最新記事
コメント
トラックバック
リンク




2006.08

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31

オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店


夕べからカスガの具合が悪い。胃の中に何も入っていなくても吐くのだ。こうなると猫は水も飲まなくなる。好物のカツオもダメ。
幸いにもぐったりはしていないので、様子を見ていたら、
夕方あたりに少し食欲が出だした。多分風邪をひいたのだと思う。
かくいう私もクーラーで冷えて風邪をひき、朝から寒気がして頭が痛いのだ。

別荘

         「ママの店」

「私が見てきた限りでは、けいこちゃんのママは
 地方公務員の父と、母親、兄との四人家族だったの。
 三つ上の兄は成績も優秀で、
 両親は兄にものすごく期待をかけていた。
 妹、つまりけいこちゃんのママのことだけど、
 どうしても影が薄くなっちゃうのよね。
 もともとおとなしくて目立たない子だったから
 よけいにかまってもらえなかった。
 彼女が中学生になった頃には
 兄は受験勉強に必死、
 両親も長男のことだけ心配していた。
 かと言って何も娘のことを
 無視していたのでは決してなかったんだけど、
 寂しくて魔がさしたのね、
 彼女は不良グループに入ってしまった。
 酒、煙草、薬にはまり、
 とうとう警察のお世話になったこともあって、
 親子関係がおかしくなってしまったの。
 家にいても自分の居場所がない。
 そう感じた彼女はとうとう家出してしまったのよ。
 高速バスで十何時間かけて出てきた都会で
 行くあてもなくウロウロしていたら、
 家出少女専門の口入れ屋に声をかけられた。
 住む所と仕事を世話してあげると言われた彼女は
 いかがわしいキャバレーのホステスになった。
 そこで知り合ったのがけいこちゃんの父親よ」

私はフウーン・・・とそっけない反応をした。
正直言ってママの話はつまらなかった。
母親の生い立ちなんかどうでもいいのだ。
要はけいこちゃんがたった二年と数ヶ月を生きただけで、
死ななくてはならなかったということなのだ。

私は突然間しずえさんのことを思い出した。
しずえさんはえいじに殺されたとき幽霊になって現れた。
幽霊が復讐することが出来るなら、
けいこちゃんを不幸にした父親のところに化けて出て、
復讐してやることが出来るのでは・・・

「ちょっと待った、
 あんたが今何を考えてるのかわかってるわよ」

ママがいきなり私の思考をぶち切った。

「わかった ? 」と私が聞くと、

うん、と言ってママが頷いた。

「なら話は簡単だ。復讐してやろうではないの、あの男に」

私が身をのりだすと、ママは顔をしかめ首を横にふる。

「いったい誰が誰を恨んでいるの ? 」

これはまた妙なことを言う。
ママもけいこちゃんがどんな酷いめにあったか
わかっているはずじゃないか。

「そりゃもちろん、けいこちゃん・・・」

私はあることに気がついて
それから後の言葉が出なくなってしまった。

「ね、わかったでしょ。誰も恨んでないの。
 恨んでいるとしたら、けいこちゃんのママね。
 でも彼女はまだ生きているわ」

ママは腕を組み、まるで学校の先生が
教え子を諭すみたいに私を見ている。
相手がママだから、私は何とも思っちゃいないが、
けいこちゃんのためになんとかしてやりたいという
私の気持ちも、わかってほしいものだ。

「僕達がけいこちゃんに代わって復讐してやるってことも
 出来るんじゃないの ? 
 だって僕はしずえさんを助けたよ」

そうだ、私はしずえさんと一緒にえいじをやっつけた。
というより、えいじを崖から投げて殺したのは私だ。
部外者であろうが、やろうと思えば出来るはず。
でも、それにはママの協力が必要なのだけど。

〜つづく

ホームページ上に今までの分を「ママの店13」としてアップしましたので、ご覧ください。
(ママの店12前編) (ママの店12後編)

その他の作品紹介
2006.08.01. (00:29) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
ハレルヤ

Copyright © 2004 Powered by FC2 All Rights Reserved.
Photo by Wisteria Field  Template by lovehelm