
カスガの調子がいぜんと悪く、明け方から昼にかけてゲーゲー吐いて
大変だった。食事も摂れない水もダメでは弱る一方なので、
吐いてもいいからと好物の牛乳を飲ませた。50ccほど飲んだのだが、
一時間もたなかった。それが夜になってようやく回復の兆しが見え、
8時頃に食べさせたご飯をいまだ吐かずにいる。多分もう大丈夫だと
思っていいのではないだろうか。
・・・お知らせ・・・
電子出版「短編集 闇の中の住人」別荘1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 「ママの店」
私の怒りは、直接手を下したのではないが、
けいこちゃんの父親に向けられた。
『お前が浮気をした為にけいこちゃんが生まれた。
でもまあ、それは世間でよくあることだから
百歩譲って許す。
しかし、自分の本妻に子供が出来ないとわかってから
一度捨てた娘を母親から毟り取ろうとした行為が
絶対許せない。
しかも子供を引き取りたい理由が
家督を弟の息子に取られたくないからだと ?
そんな不純な動機で
けいこちゃんを引き取ったところで
彼女を幸せに出来るはずがないわい。
お前は自分のエゴのために罪のない女を苦しめ、
娘まで殺してしまったんだ。
やっぱりどう考えてもお前が最大の原因だ、許せない』
ママに隠し事は出来ない。ママは人の心を読んでしまうのだ。
「あんたの考えていることは筋が通っていると思うわ」
ママは真剣な眼差しで私を見ている。
でしょ?
だからあの男に復讐をと言い掛けた私をママが止めた。
違う、違う、違うのよ・・・ママは目を閉じ頭を横に振る。
「何が違うんだよ」私はまた自分の考えを否定されて、
正直うんざりした。
ママは深い溜息をつく。
「悪いのはあの男、復讐したくても母親は錯乱状態。
けいこちゃんは子供、そんなら僕らが代わって復讐して
やったらすむことじゃないか」
私がなおも畳み掛けると、
ママは眉をひそめ困ったような顔になった。
「私とあんたが、けいこちゃんの父親を驚かせたところで
何の益があるというの ?
そもそもそんな男に良心の呵責なんてありゃしないから、
ただの鬱陶しい怪現象にくらいにしか感じないわよ。
復讐というのはね、相手に心から申し訳なかったと思わせ
られなかったら全然意味がないんだからね」
「じゃあ、どうするんだよ・・・このまま放っとくの ? 」
私がブスッとした声を出すと、
ちょっと待ってと言いながら
ママは親指の爪を噛んでじっと考え込んでいたが、
何か閃いたらしく顔がパッと明るくなった。
「ねえ・・・こんな考えはどうかしら ? 」
〜つづく
ホームページ上に今までの分を
「ママの店13」としてアップしましたので、ご覧ください。
(ママの店12前編) (ママの店12後編)その他の作品紹介
2006.08.03. (00:08)
小説 文学 /
TRACKBACK(-) /
COMMENT(-) /
▲