
フクはいつも私と一緒に寝る。私がパソコンをやめるまで、ずっと
布団の上で待っている。フクは猫達のパパでもあるが、
子供達には嫌われている。ナナもそうだ。
でもまあフク、ナナ夫婦は仲がいいので、
それだけでも救われる。

淀川の花火大会に長女がでかけた。だから晩御飯は私が作った。
マーボー豆腐。
電子出版「短編集 闇の中の住人」別荘1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 「ママの店」
真っ白な世界だ・・・
ここは何処だろうと辺りを見回したが、
白一色の世界には動くものが何もなく、
それどころか自分以外の固体が
まったく存在していない。
アレッ、微かに聞こえてくるこの音は・・・ ?
それはごく小さい音で、
最初は虫の羽音かとも思えたが、
じっと耳を傾けてよく聞いてみれば、
どうやら女の人の泣き声らしい。
その人の姿はどこにもない。
しかし声が確実に近づいてきている。
もうほんの近くにまできているはずなのに、
姿が見えないのはどうしてかなと思っていたら、
私の目の前にうずくまる
一人の女性の姿が浮き上がってきた。
その人はウエストにくびれのない、
ストンとした手術着を思わせる
白いワンピースを着ている。
肩まで伸びた髪を乱れさせ、素足で床にペタッと座り込み、
両手で床一面を撫でながら、
誰かに何かを話しかけているみたいに
ブツブツ言っていたのに、今はもう
額を床にこすりつけてさめざめと泣いている。
そういう行動を何度も繰り返しているのだ。
あっ、この人は・・・けいこちゃんのお母さんだ。
あの夜あの運命の踏み切りに座り込み、
二歳の我が子に駄々を捏ねていた母親。
取り返しのつかないことをしでかしてしまった後悔で、
今彼女の心と脳は
通常の機能を働かせなくなってしまっているのだ。
〜つづく
ホームページ上に今までの分を
「ママの店13」としてアップしましたので、ご覧ください。
(ママの店12前編) (ママの店12後編)その他の作品紹介