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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫たち&ホロホロ&ママの店


「ジャーの傍に行っちゃダメって言ってるでしょ ! 火傷するよ」
いくら言ってもトウは電子ジャーに体をくっつける。
こんな暑い日でも、家の中はクーラーがついているから
体が冷えるのだろう。


アマゾンのエビホロホロが凄い成長をした。また脱皮したようで、
今度は姿がはっきりと見える。彼女なのか彼なのかわからないが、
ますます元気で良かった良かった。

別荘

電子出版「短編集 闇の中の住人」

         10 11 12 13  14 15 「ママの店」

二人の様子を見ながら、私も瞼が熱くなる。
拳で目をごしごしこすっていると、
ママがハンカチを渡してくれた。

「で、どうするの ? 僕としてはこの二人を、
 このまま一緒に暮らさせてあげたいんだけど」

と私が言うと、ママはとても困った顔になり、
それは・・・ちょっと・・・と口ごもる。

「そうか、彼女はまだ生きているんだもんね」

私も長くこちらの世界にいるから、
生きている者が簡単に
こちらに来れるとは思っていない。
やはり、けいこちゃんの母親は寿命が尽きるまで
我が子のことを思い、苦しみと悲しみの中で
生きていかなければならないのだ。

「彼女ね、親に縁を切られたわ」

ママが暗い声でボソッと言った。
いきなり現実に引き戻されたような気がして
思わず、えっ ? と言ってママを見た。

「彼女は公費で入院治療を受けているのよ。
 それがどういうことかわかる ? 」

ママが眉を顰めて声を落とす。

「こ、こうひ・・・? 」

私は全然わけが分からずブンブンと首を振った。
ママは意味ありげな顔で私の顔を見つめたままだ。

「わかんないよ、どういうことさ」

私は何かとても嫌な予感がして、生唾を飲み込んだ。

「国が費用一切面倒見る代わりに、
 新薬の実験台になる・・・」

「えっ ? 」

驚く私を尻目にママは声を潜め、話を続ける。

「新しい薬が作られる度に動物実験するのだけど、
 やはり一番効果がわかるには
 人間そのもので実験するに限る・・・
 彼女は一時的な分裂症だったかも。
 でも、ひょっとしたら一生治らないかも知れない。
 そういう患者を公費で面倒見るからと言って、
 親族に了解を得るのよ。
 つまり、治療した結果どのようになっても
 一切文句は申しませんってやつよ。
 彼女の両親にしてみれば
 家出して堕落した娘など、
 もう面倒見る気がなかった」

なんてこった、そりゃあんまりだ。

「ひどい親だ、そんなんだから彼女は家出したんだ。
 もっと暖かい家庭だったら
 彼女もこんな不幸なめにあわなかったろうに」

私は怒りというよりも、
何とも言えない複雑な気持ちになってしまった。

〜つづく

 ホームページ上に今までの分を「ママの店13」としてアップしましたので、ご覧ください。
(ママの店12前編) (ママの店12後編)

その他の作品紹介
2006.08.10. (00:51) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
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