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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店


ナナが人形をくわえてきた!

ナナは今まで私達によく飴をくわえて持ってきてくれていた。
「アメちゃん持ってきたよ〜」
というような甘えた声で鳴くのが合図なのだが、
今日のは飴なんかじゃなく、何とグルーミーという熊の人形だった。
とうとう人形を持ってきてくれるようになった!
これは我が家にとって一大事だ。ナナはもちろん犬じゃない。
明らかに猫なのだから、飴でも変なのに人形なんて・・・
これからいったい何を持ってきてくれるようになるか楽しみだ。
ちなみに一昨日クロめが一リットル入りの油のポリタンクを
くわえて引きずってきた。これは多分油を舐めたかったから
必死に頑張ったんだと思う。
「こんなん、ただイヤシイだけやん。一緒にせんといて」
ナナが喋れたらきっとそう言うだろう。

別荘

「ママの店」  
 

「豊、大丈夫か・・・」

目を開けると、中田先生の顔が見えた。
まだ気絶しているけいこちゃんの母親を、
床の上に仰向けに寝かせて、
ママが冷たい水でしぼったタオルを持ってきて
母親の顔を拭いてあげている。
それでも彼女が目を覚まさないので、
先生が彼女の頬っぺたを軽く叩いて、
声をかけているのを、
私は床に座り込んだまま、しばらくボーッと
眺めていたが、そのままでいると
また意識がなくなるような気がしたので、
這うようにソファーに移動して体を投げ出し
横になった。
たちまち酷い疲労感が襲ってきて、
いつの間にか眠ってしまっていたようだ。

「ゆた・・か・・・」誰かが呼んでいる。

ふと目を開けると心配そうなママの顔が見えた。

「あの人、どうなった・・・」

一番気にかかっていたのだろう、
最初に口を突いて出たのは彼女のことだった。

「さっき目を覚ましたから、
 今先生が事情を説明しているわ」

ママが後ろをチラッと見てそう言った。

「そう・・・」

私はやたら重い体を起こし
ソファーに座りなおした。
白い患者服を着た彼女が床に座り込んでおり、
先生がけいこちゃんの今いる世界のことを
母親に説明している。
彼女にはけいこちゃんを
連れ戻しに行ってもらわねばならないのだ。

「こっちに座ってもらおうか」

ママはそう言って彼女の所へ行き、
中田先生と一緒に母親をソファーまで
連れてきて座らせた。
我が子を死なせ、我が子に引き裂かれ、
彼女の顔は青白く憔悴しきっている。

「お母さん、落ち着きましたか ? 」

私が静かに声を掛けると、
母親はボンヤリとした顔で私を見て、
はい、と答えて頷いた。

「一応簡単だけど説明はしておいた。
 けいこちゃんを迎えに行ってもらうということも
 了解してもらったよ」

中田先生が彼女の方をチラッと見て私にそう言った。

〜つづく

「ママの店14」 をHPにUPしました。
ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

(ママの店12前編) (ママの店12後編)
(ママの店13)
その他の作品紹介
電子出版「短編集 闇の中の住人」
2006.09.06. (00:13) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
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