筆者  活動状況  オンライン小説  新刊+出版本  更新情報 ブログ
メルマガ Link HOME MAIL


fc2-BlogRanking   Blog Entry
管理人

樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

    モバイル版を開設しました!
月別ログ
カテゴリ
最新記事
コメント
トラックバック
リンク




2006.09

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30

オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店


トウは甘〜い卵焼きが大好物だ。本当は糖尿になられたら困るので、
砂糖の入った食べ物はダメと決めているが、
一度勝手に取って食べてから味をしめて卵を割る音にもう反応する。
猫は甘党か ? 西岸良平さんの「三丁目の夕日」に甘党の猫というのが出てくるが、本当のところはどうなんだろう。
我が家では猫達のご飯は手作りだが、ドライフードなどは
軽く塩味がついているようだ。以前サイエンスダイエットのドライフードを食べさせていたことがあって、可愛い猫達が口にするものの味は絶対知っておかねばならないと思い食べてみた。
感想は、油っぽい、臭い、塩辛い、不味い。
肥満用は油っぽくないが、不味いのは同じ。
食の楽しみを持たせてやりたくて手作りに変えた。

別荘

「ママの店」  
    


学校にも行かず
不良仲間と悪いことばかりした挙句、
家出して転落の道を歩んでしまったことを、
彼女は十分反省しているし後悔もしている。
失くした家族の温もりを
これからけいこちゃんと二人で、
取り戻していこうと頑張っていた矢先に、
その幸せを奪おうとする人間が現れた。
何とか取られまいと頑張ったが、
愛する我が子の将来を思うと、
心が揺れるのは当たり前。
でも、けいこちゃんは心の支えだった。
その支えが無かったら、
生きていくことなんて出来やしない。
だから彼女は死のうとした。
それなのに死んだのはけいこちゃんだけで、
自分は廃人になってもなお生きている。
でも、その生地獄ももうすぐ終わるんだ。
この人はもうすぐ死ぬんだから。

「だけど死ぬ前に、
 けいこちゃんを救出しないといけないわ」

ママがいきなり言いだした。
中田先生も真剣な目をして頷いている。

「どういうことさ、死んでからだと
 不味いの ? 」

相手も死んでいるのだから、
たとえ死んだとしても、
何ら支障はないはずなんだけどと
私は疑問に思った。
彼女も同じことを思ったのだろう
怪訝な顔で首を傾げてママを見ている。

「この人がもし死んだら行く場所は、
 必ずしもここではないのよ。
 もちろんけいこちゃんの
 いる場所に行ける可能性も薄いわ」

ママの言葉に中田先生が、

「そう言うことだな、どこかに行ってしまったら、
 まずその場所から
 この人を救い出さないといけなくなる。
 そんな余裕はないんだ。けいこちゃんが今いる
 世界に馴染んでしまうと、もう救い出すことが
 出来なくなってしまう。
 要するに今いる世界に根をおろして
 同化してしまうんだよ」

「い、今からけいこの所に行かせてください」

彼女が慌てて腰を浮かせ、ママを見る。
ママはやさしく微笑んで、
彼女の肩に手を置いた。

「だから急いで今から準備をするの」

「準備って何んだよ、
 甲冑でもつけて剣でも持つの ? 」

何となくそういう格好が頭に浮かんだ。
ちょっと待ってて、とママは言い
カウンターの奥に入って行くと、
両手に鉄のガラクタのような大荷物を抱えて
戻ってきた。

甲冑だ・・・

私の口から深い溜息が漏れる。
テーブルの上には乗りそうも無いので
床に並べると、
ママはまたカウンターの中に入って行こうとする。

「ママさん手伝いましよう、あといくつですか」

中田先生がママの後を追いながら聞くと、
いっぱいあるわよ、と返事があったので
私も先生の後ろからついて行くことにした。

「あの、私も行きます」と彼女。

結局全員でカウンターの裏に回ると、
そこには私が今まで知らなかった
大きな古めかしい鉄で出来た扉があり、
その中は広い物置になっていた。
衣類のようなもので盛り上がった箱、
何かの儀式に使用するのかと思わせる道具類。
壁側には刃物拳銃鉄砲盾甲冑。
ママの指示通りの物を両手に抱え、
全員二回ほどの往復で運び出した。
床の上にはいろいろな物が並んでいる。

「同じ物が一人一セットになっているから
 身につけてみてよ」

ママの言葉に全員が、
小さな四角い金属のピラピラがびっしりついた
甲冑を装着した。
青銅の剣を手にするとまるでチンギス・ハーンだ。
四人の戦士が出来上がったわけだが、
モノスゴクカッコイイ・・・

「我こそはママ軍の戦士、豊なるぞ。  
 宜しくお願い申す ! 」

軽い冗談を言ってみたくなったのだが、
何と先生も乗ってきた。

「こちらこそ宜しくお願い申す」

私と先生が、
エイエイ、オー ! と叫びながら
青銅の剣を頭上に掲げたのを見て。
ママと彼女も最初はびっくりして固まっていたが、
やがて一緒になって剣を振り回し、
ピョンピョン飛び回りながら
全員チャンバラごっこになっていた。
どのくらい遊んでいたのだろう、
仕掛けたのも私なら、
一番先に我に返ったのも私だった。

「ねえ・・・」全然聞こえていない。

もう一度今度は大声を出す。

「ねえ、ねえったら、ねえ ! 」

息も荒く、カチンカチンと
剣を当てあいっこしていた
男女三人の手が止まる。

「もう止めない ? 」と言うと、

三人ともボーッとした顔で私を見ていたが、
中田先生が一つ咳きをすると同時に
全員剣を下ろした。

「ま、緊張感をほぐれさせるってのも
 準備のうちだから」

ママがホホホと笑った。
中田先生も額に汗をかきながら照れ笑いをしている。

「まったく、もう、
 いい年をした大人が何なんですか。
 今からけいこちゃんを取り戻しに
 行かないといけないって時に・・・
 お母さんまで一緒になってちゃダメでしょ。
 いったい年いくつなんですか」

「に、二十三です。すみません」

彼女は申し訳なさそうに下を向いた。

〜つづく

「ママの店14」 をHPにUPしました。
ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

(ママの店12前編) (ママの店12後編)
(ママの店13)
その他の作品紹介
電子出版「短編集 闇の中の住人」
2006.09.09. (00:24) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
ハレルヤ

Copyright © 2004 Powered by FC2 All Rights Reserved.
Photo by Wisteria Field  Template by lovehelm