
最近昼の間の私の膝の上には
チャオ が座っている。
ナナはフクの寝床を占領しており、フクは行くところがないので部屋の隅に置いてある紙袋の中に入って寝ている。
チャオは長女に懐いており、長女が仕事から帰ってくるまでの間だけ
私の膝におるのだ。帰ってきたらそそくさと尻尾を振って長女の部屋に行ってしまう。長いこと私の膝を貸してもらっておきながら、
じつに愛想無く
プイッ と去ってしまうのだ。もう明日から絶対膝に座らせてやらんわいと思っても、乗ってきたら
あっち行けとはなかなか言えないもんだねえー。
別荘「ママの店」1 2 34 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14・・・・お知らせ・・・・
本日のママの店はお休みさせていただきます。
店主敬白
特別番組
幽霊のお話 第二
前に住んでいた家を買ったときの話なんです。
不動産屋さんに案内してもらって
その家の下見に行ったんですよ。
そしたらね、玄関に入ったとたん
物凄く頭が痛くなったんですわ。
じわじわと締めつけられるような
いやーな痛みでしたねえ。
もちろん中古でしたけど
まるで新築みたいに綺麗に使っていらして
湿気もないしホコリもない、
そんな頭痛がおこるような家じゃなかったんです。
ただ玄関入って左側に四段階段があって、
そこはマンションの一階部分だったんですが、
部屋の中にそんなミニ階段があるマンションなんて
始めてだったもんで、
珍しい造りだなあとは思いましたけどね。
階段をトントンと降りて
廊下の突き当たりがリビングで
これがまた高い天井でね、
照明器具を取り付けるのは
絶対電気屋にしてもらわないと
無理っていうくらいの高さだったんですよ。
それでもってリビングは二十畳あり、
縁側までついていて
そりゃもう広いのなんの・・・
おまけに庭もあったんです。
まるで一戸建てみたいな感覚でした。
リビングの横に八畳の和室と
廊下の反対側奥に
六畳の洋間が二つあるんです。
こんな広い物件見逃したら
二度と手に入らないと思って
即決で買っちゃったわけですよ。
後から思えば、頭痛を起こすってえことは
私の予知能力が
ここはダメって教えてくれていたんですがね、
そのときは全然そんなこと考えもしませんでした。
夏によくやるテレビの特番で、
幽霊屋敷を買うなり借りるなり
してしまった人の話しを聞くと、大抵
「何故かどうしてもその家に住みたくなった」
とかおっしゃっています。
私らもそのクチだったみたいですねえ・・・
霊に引き寄せられた、ということなんでしょうか。
まあ、それで引越し前に
主人と二人で掃除しに行ったんです。
いえ、前に住んでいた人が
どんなに綺麗にしていらしても、
やっぱり掃除してから荷物運び入れたいですからねえ。
それで家の前まで来たら外に面している洋間の窓に
背広を着た男性が立っていたんです。
「おとうさん、○○さんやろか」
○○さんとは不動産屋の人なんですけど、
てっきりその人が来ているんだと思いましたよ。
でも、もう鍵の引渡しも済んでいるし、
今更○○さんが勝手に入っているなんてことは
ちょっとおかしいんですがね、
そうとしか考えられない状況だったんですよ。
それで、ドアも開いているかと思ったんですが
鍵がかかっていて、
インターホン鳴らしても誰も出てこないし、
おかしいなと思いながら主人が自分で開けたんです。
で、中に入って
「○○さん、いらしてるんですか」
って声かけてもシーン・・・としているんですよ。
部屋中探したんですが誰もいない。
あれ、見間違いだったかなと思ったんですが、
台所に入ってゾオーッとなったんです。
壁にくっきりと
背広を着た男性の影が浮き出ていたんです。
本当なんですよ、見間違いなんかじゃありません。
でもね、それも不思議なことなんですが、
大騒ぎする気持ちに全然ならなかったんですよ。
ただびっくりしただけ・・・
主人なんか、見なかったことにすればいいなんて
言ってましたし、
私も冷蔵庫で隠してしまおうとなんて
考えていましたから。
それも今から思えば無謀な考え方なんですけど。
多分前に住んでいた人がそこに冷蔵庫を置いていて
壁についたススが偶然人型に見えているだけで、
さっき家の前で、窓に立っている
男性を見た後でしたから、気持ち悪くて、
ゾオーッとしたんだってことにしてしまったんです。
折角買った広い家です。
気のせい、気のせいと夫と二人、
不安を打ち消しあって各部屋の掃除を
始めたんですよね、
そしたら部屋の押し入れやクローゼットの中の壁に
お札が何枚も貼ってあったんです。
廊下の階段下に倉庫があるんですが、
その中にもお札が・・・
さすが嫌な気持ちになって
前の住人のことを不動産屋の○○さんに聞いたら、
これがまた
キャンセルされたら困ると思ったんでしょうが
なかなか話してくれないんです。
それでもやっと聞き出したことは、
前の住人はほとんどこの家に住んで
いなかったということくらいでした。
だから新築に近いくらい綺麗だったんです。
もしかして幽霊屋敷かな、と思ったんですが、
何故かそのときは
「まあ、いっか・・・」
なんて思ったんですよねえ、
それで引越しをして、
奥の二部屋は子供たちの部屋、
リビング横の和室は
私達夫婦の部屋にしたんですが、
夜になると、
子供達が怖いって言い出したんです。
窓から目が覗いている、金縛りばかりあう。
もうあの部屋で寝るのは嫌だ、なんてね。
もちろん子供達にはお札のことも、
台所の影のことも話ちゃいません。
仕方がないので和室で全員寝ることにしたんです。
もう引越ししちゃっているし、
いくら怖くても今更どうしようもないですからね。
「気のせい」で片付けたんですよ。
だけど、だんだん私達一家は・・・
〜つづく
「ママの店14」 をHPにUPしました。
ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。
(ママの店12前編) (ママの店12後編)(ママの店13)その他の作品紹介 電子出版「短編集 闇の中の住人」
2006.09.17. (00:01)
小説 文学 /
TRACKBACK(-) /
COMMENT(-) /
▲