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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店


今夜はサンマ。一匹をほぐして12皿のニャンコ飯の横に添えた。
鰹節まぶしたニャンコ飯よりもサンマを沢山食べたい様子。
でも、サンマはけっこう油が多いから食べ過ぎると吐いてしまうよ。
小骨を取っているとき、猫達はジィーッと箸の動きを見つめていた。



・・・お知らせ・・・

第100回コスモス文学新人賞掌編部門で「穴」
同じく短編部門で「帰りましょう家族のもとに」
以上2作品に佳作を頂きました。

別荘



「ママの店15」 のつづき〜

ママの店に行った。
カウンターには中田先生と犬山さん、
その間に、良太君と恵子ちゃんがおり、
犬山さんの右横には
リリーさんが寄り添っている。
今日のリリーさんは
薄いブルーのロリータドレスだ。
カウンターの中でママと涼子さんが、
コーヒーやサンドイッチを作っている。
この店も、私が初めて訪れたときには
ママ一人が切り盛りしていたのに、
今では常連客も増え、涼子さんという
相棒も出来た。

ママの胸には相変わらず黒に近いブルーの
ペンダントトップが揺れている。
こうして店が賑やかになっていけば、
ママの心の底にある
寂しい影も少しずつ消えていくだろう。
涙で潤んだ鳶色の瞳も好きだけど、
やっぱりママは明るいママで、
ちょっと意地悪なくらいが丁度いいのだ。

「あら、豊どうしたのよ、
 何ボーッとつっ立っちゃってるの、
 早く座んなさいよ」

ママが目を丸くして笑っている。
私はまたママに心を読まれそうな気がして、
慌てて中田先生の隣に座った。

恵子ちゃんはワンコを抱かせてもらい、
良太君からワンコと巡り合ったいきさつを
聞かされている。

「で、さあ・・・おいらとワンコは
 ここの部分で
 お互いを呼び合っていたんだ」

良太君は胸に手を当てて熱弁を奮っている。
中田先生の子供時代もきっと
こんなふうだったんだろうなと思った。
きっと二人とも話が好きで、
説明をしたり、
自分の考えを述べたりするのが得意なのだ。
似たもの同士とはよく言ったものだ。

「大変だったそうで、先生やママさんから
 聞きましたよ」

犬山さんが私に話しかけてきた。

「いやあ、いつものことですよ。
 僕は大したことしていません。
 ママと先生の手伝いをしただけです」

私は自慢するのが苦手なのだ。

「そんなことはない、豊が一番活躍したんだ。
 今ここに涼子さんや恵子ちゃんがいるのは、
 みんな君のおかげだよ」

中田先生がそう言うと、カウンターの向こうで
涼子さんが嬉しそうに頷いた。

「先生の仰るとおりです。
 本当にそのせつはお世話になりました」

照れくさくなると、
私はじっとしていられなくなる性格で、
首を伸ばし、アハハハハと馬鹿みたいに
笑って皆の顔を見回していた。

「豊、その癖直したほうがいいわ・・・」

ママがあきれたような顔で言う。

〜つづく

ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

(ママの店12前編) (ママの店12後編)
(ママの店13) (ママの店14)

その他の作品紹介
電子出版「短編集 闇の中の住人」
2006.10.10. (00:43) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(12) /
ハレルヤ

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