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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店特別番組


猫達の夕食にとサンマを焼いていたら、いい匂いにたまらなくなったカリン の可愛い顔が写真に撮れた。カリンをうまく撮るのは難しい。
真っ黒なうえに、カメラを向けると嫌な顔をする。サンマの威力は物凄い、こんなにアップで可愛く写せた。
カリンは猫達の中で一番女の子らしい仕草をする。いつも恥ずかしそうに私を見て「ヒャアー」と鳴く。
「ニャアー」ではなく、ちょっとかすれた小さな声でヒャアーなのだ。

「ママの店15」     

・・・・お知らせ・・・・
本日のママの店はお休みさせていただきます。
                     店主敬白

特別番組
幽霊のお話 第三




私は映画をよく観に行くんです。
洋画邦画どちらも好きなんですが、
洋画はアクション物とかファンタジー、
邦画の場合は
好きな俳優さんが出ていると、
大抵観に行ってます。

だいぶ前のことになりますが、
高倉健さんが主演の
「鉄道員(ぽっぽや)」を観に行ったんです。、
当時はどの映画館も満員で、
早く行って並ばないと
いい席が取れなかったんですが、
何でかその日は
早く行った意味が無かったくらい
ガラ隙でして、
好きな席に座ることが出来ましたから、
前列との間に通路がある列の
真ん中の席を選びました。
一番観やすい良い席です。
通路挟んで向かいの席は
誰も座っていませんでした。
振り返って後ろを見てみたら、
後ろもガラガラ。
もうその日は数えるくらいしか
客がいなかったという訳です。
はい、日曜の昼でしたから、
いつもなら満席状態です。
ええ、「鉄道員(ぽっぽや)」って
結構人気がありましたよね。
私も何でかなと思ったんですが、
そうこうしているうちに
場内アナウンスとともに辺りが暗くなり、
映画が始まったわけで。

客がおろうがおるまいが、
そんなことはどうでも良くなりました。
そりゃもういい映画でしたねえ、
泣けるシーンがいっぱいで・・・
何てったって高倉健さんですもの。
あははは、そうなんですよ。
私は健さんの大ファンでして。
だからもう、完全に見入っていましたよ。
ええ、だからねえ、
居眠りなんかする訳がありません。

それがねえ・・・
いきなり眠気が襲ってきたんですよ。
自分でもびっくりするくらい急にです。
嫌なもんですよ、観たいのに眠たいなんて。
頑張って目を開けていたんですが、
とうとうフゥーッと意識が
遠のいてしまいました。
こりゃいけないと思ったからか、
ハッと意識が戻ったんですが、
幸いそれほど長く寝ちゃあいませんでした。
そうですね、
時間にしてみれば数分のことです。
ええ、話の筋も分かりました。
それに話が山場を迎えており、
もう画面から目を離せない
状態になっておりましたから
それ以後、
眠気なんて吹っ飛んでしまいましたよ。

だけど、
一つおかしなことがありまして・・・
さっき居眠りしていた間に前の席が
満員になっていたんですよ。
いつの間にか
団体さんが入って来て座っているんです。
そんなことちっとも知りませんでしたよ。
まったく静かでしたからね、
そりゃ少ないとはいえ他にもお客がいますし、
映画は始まってしまっているんですから、
気をつけてそーっと座ったに違いありません。

でも私にしてみれば、
あんな数分の居眠りの間に
こんなに満席になるなんてと
不思議でたまらなかったんですよ。

で、ね、映画を観ながらもチラチラ
そちらの方も見ていたんです。
そしたらねえ、
私ゃあることに気がついたんですよ。
何でか皆さん
白いシャツを着てるんです。
それも半袖。真夏の格好です。
その時は冬でしたので、そんな薄い半袖は
だいぶ違和感がありましたよ。

スクリーンから出ている白濁した光が
前の座席全体を照らしていて、
その人達の後姿が
はっきりと見えているんですが、
また妙なことに気がついたんですよ。

何で来ている服が見えるのか・・・
普通座席の背もたれから
頭の先が見える程度なんですが、
その人達は腰の辺りまで丸見えです。
つまり、座席の背もたれの部分に
腰をおろしていたんです。
だから来ている服が
白い半袖だと分かったんですよ。
でなきゃ、
何を着ているかなんて分かりゃあしません。

よく見ると全員男の人でね、
年の頃までは分かりませんが、
太った人も痩せた人もいましたよ。
それでね、その人達は全然動かないんです。
まあ、真剣に
映画を観ているからなんでしょうが、
普通首の一つくらいは動きますよねえ、
それが動かない。
しかも、私はまたあることに気づいたんです。
皆さん体全体が透けているんです。
いえ、完全じゃなくて、
薄っすらと透けているんです。

背もたれに腰掛けているだけでも
おかしなことなんですが、
これが透けているとなれば
アレとしか考えられません。
隣に座っている娘に

「あれ、見える ? 」って耳打ちしたんですが、
娘には見えてなかったみたいで、
何 ? って怪訝な顔をしていました。

ええ、そのまま映画は観ましたよ。
別に怖くもなかったですからね、
本当にちっとも怖くなかったんです。
それも不思議だと言や
不思議なことなんですがね、
あぁ、皆も観に来てるんだ、
この人達も時々こうやって
映画を観に来てるんだなあって
思っただけなんですよ。
それほどごく当たり前のように
座ってらっしゃいましたからね、

で、ね、映画を観終わった後で娘が、
さっきのアレなんだったのかと聞くんです。
私は正直に見た通り話したんですが、
娘はフウーン・・・と言ったきり
黙ってしまいました。

ひょっとして娘にも
見えてたんでしょうかねえ、あの人達が。             

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ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

電子出版「短編集 闇の中の住人」
2006.10.15. (00:21) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
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