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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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2006.10

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店


去年から今年にかけての冬に湯たんぽで低温火傷をして、ブチの太ももの毛が薄くなってしまっている。本当ならこの夏で新しい毛が生えてきて禿た部分は元通りになるはずなのに、未だ生えてこない。
それはブチがもう、トシだからだ。
ブチと同じ年のチャコの腰もゴツゴツ骨が当たるようになってきたし、嫌でも老いを感じさせられる。
おかあさんと呼んでくれるクロ、指を吸いに来るチャオ、ブチ、チャコ、この子達が今一番年上だ。去年ゴンを亡くしたときはショックだった。これから先、この子たちにもしものことがあったら耐えられるだろうか・・・自信が無い。

別荘
「ママの店15」         

「きっと私が怖い話をしたからなんだわ。
 恵子ちゃんごめんなさい」

和美さんが謝ると、恵子ちゃんは
イヤイヤするように首を振る。

「ちがうの、本当にのじょいていたの」

気のせいよと言いかけた涼子さんを止めて、
ママが恵子ちゃんに話しかける。

「どんな人が覗いていたの ? 」

恵子ちゃんはヒクヒクとしゃくりながら、
ゴクリと唾を飲み込み、

「あのね、怖い顔した女のしとが中を
 のじょいていたの」

「どんな女の人だった ? 」

ママは恵子ちゃんに食い下がる。
涼子さんは恵子ちゃんを抱きしめ、
これ以上喋らせたくないと言うような
すがるような顔でママを見ている。

「緑のお帽子に黒っぽいお洋服」

恵子ちゃんは
涼子さんの胸に顔を埋めたまま
つぶやいた。

「ありがとう、よく話してくれたわね。
 涼子さん、ごめんなさいね、
 でもこれは和美さんに
 関係していることだと思うの」

申し訳なさそうにママが言うと、
涼子さんはニッコリ笑って頷き、
恵子ちゃんの頭を撫でてやっていた。
とりあえず座って話をしようと
中田先生が言ったので、
皆またぞろぞろとソファーに戻り、
元いた位置に座った。

コーヒー入れ直すわねとママが立ち、
涼子さんと一緒に
テーブルの上にあるカップの回収を始めた。
リリーさんも手伝って、
結局和美さんを除いて女性陣が皆
カウンターの方に行ってしまった。
良太君は一生懸命恵子ちゃんの気分を
直そうと話しかけている。
恵子ちゃんの見間違いじゃないとしたら、
覗いていた女はいったい誰なのか、
果たしてその女は
和美さんとどんな関係があるのだろうか、
我々はそのことを
まず考えてみようとしていた。

「さっき恵子ちゃんが見たという、
 そういう服装の女性に心当たりがある ?」

私が聞くと、和美さんは首を傾げ、
じっと考えているようだったが、
いえ、思いあたりませんと答えた。

「おまえはそのおとなしい顔で、
 男をたらしこんだんだよ」

ソファーに座っていた我々全員の目が
一斉に良太君を見た。
良太君は口元に冷たい笑いを浮かべ、
じっと我々の方を見ている。
側で恵子ちゃんがポカンとした顔で
良太君を見ていたが、
そろそろと移動して私の膝に乗ってきた。

「良太・・・お前、今何て言った」

中田先生がびっくりしたように聞く。

「今に化けの皮が剥がれるよ・・・」

それはもういつもの
明るい良太君ではなかった。
声はしゃがれて低く、
顔も、子供らしさを失い
鼠色がかった死人の色になっている。

「良太、しっかりしろ何を言ってるんだ」

中田先生が良太君の肩を掴んだ。

〜つづく
                      
(ママの店12前編) (ママの店12後編)
(ママの店13) (ママの店14)
ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

電子出版「短編集 闇の中の住人」

「特別番組 怪談奇談」(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11)
2006.10.23. (00:32) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
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