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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店


今日の晩御飯はを焼いた。我が家の猫達は鮭が苦手で、一応食べる子もいるがあまり喜ばない。猫は魚だったら何でも喜んで食べそうだが、人間と同じように好き嫌いがちゃんとある。だから鮭の時、猫達は他の物を食べてもらう。今日はこの前焼いて冷凍しておいたシシャモだ。シシャモをチンすると香ばしい香りが漂ってくる。目を細めて匂いを嗅ぐカリンの顔が可愛い。
鮭が何故好きじゃないかは分からないが、子猫のとき喉に皮を詰まらせて吐きまくったことがある子は、それがきっとトラウマになっているのだと思う。鮭の皮は結構弾力性があり食い切れないから怖い。
人間の場合でも、年がいって飲み込む力が衰えているときは要注意だ。

別荘
「ママの店15」           10 11 12

しばらくドアを塞いだ影と
睨み合いをしていたが、
いつの間にかワンコが唸らなくなっている。
良太君がワンコの顔を覗き込むと、
ワンコは嬉しそうにクウンと鳴き、
良太君の腕に鼻先を擦りつけ始めた。

「うふっ、くすぐったい」

良太君が思わず声を出したが、
影には何の反応もない。
私達はそろそろと
また中田先生達の側に戻って行った。
全員ソファーに座り直し、
影の様子を見ていたが、
影はまたなりを潜めて動かなくなっている。

「誰も外には出さないってことか・・・」

私がそう言うと、
ママがそう言うことね、と言って頷いた。
犬山さんは、大丈夫だよと言うように
しっかりとリリーさんの手を握り締める。
中田先生はテーブルに肘をつき、
組んだ手の親指同士をくっつけたり
離したりして影を見ながら何か
考えている様子だ。
恵子ちゃんは
良太君にぴったりとくっつくように座り、
黙ってワンコの頭を撫でている。
二人とも口をへの字に
曲げているところを見ると、
怖いのを我慢しているのだろう。
クソッ、子供をこんなに怖がらせて
どういうつもりなんだと、
だんだん腹が立ってくる。

「私達が店の中で食事したり
 話しをしたりするのは
 平気みたいですね」

涼子さんが飲み終わったコーヒーのカップや
空になったお皿を片付けながら言った。

「まあ、待つしかないってことだわね」

ママもそう言いながら
テーブルの上を片付け始める。
ゴンの食事のことや、
両親のことが気になるが、
あの影と格闘してまで
外に出る自信がない。
この世界は夢の中の世界。
いわば形が無くて、
想念だけで成り立っている。
理性もなければ秩序もない。
あの影が
どんな恐ろしい物に姿を変えるか、
想像することすら出来ないのだ。
ママが言うように、今夜和美さんが
ここに来るのを待つしかない。
しかし和美さんには、
本当に影の正体が
分かっていないのだろうか、
我々が影に気づいたときにはもう
和美さんは目覚めてしまい、
姿を消していた。
恵子ちゃんが見たという、
黒っぽい服に緑の帽子を被った女は誰だ。
その女が姿を変えて
あの影になっているのだろうか、

〜つづく
                      
(ママの店12前編) (ママの店12後編)
(ママの店13) (ママの店14)
ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

電子出版「短編集 闇の中の住人」

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2006.10.28. (00:02) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(10) /
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