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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店
何かハラタツ


一番日差しが温かいときに場所がなくて座れなかったシマジロウ。やっと座れたと思ったら陽が傾いた。体半分ヒエビエ〜


      

床に膝と両手をつき、中田先生は
黙って床を見つめていた。

「先生、大丈夫? 
 あんな野郎の言うことなんか
 気にしちゃだめだよ」
私は心配になって先生の顔を覗き込んだ。

「あぁ、気にしちゃいないよ。
 ただ、何か体がだるいんだ・・・」
そう言えば先生の顔色が悪い。
ママが先生の額に手を当てた。

「大変、熱が出てるわ。
 豊、先生をソファーに寝かせてあげて」
私は先生を抱きかかえるようにして、
奥のソファーに連れて行った。
すまないなと先生は笑ったが、
その顔に精気がない。
きっとさっきの野郎に何かされたんだ。
でも先生はもう死んだ人なのに、
こうして熱が出たりするんだ・・・
私の頭にふっと湧いた疑問を
ママがキャッチした。

「豊、私達はたとえ死んでも、
 あっちの世界からこっちの世界に
 移動するだけなのよ。
 私達はこうして別の次元で生きている。
 だから、熱も出るし怪我もするわ。
 もちろん死ぬことだってあるのよ。
 まあ、そのことは
 前にも説明したけどね。
 私達の魂は永遠なの、
 今存在している世界で死ねば
 別の世界に移動する。
 ただそれだけのことなの。
 いったいいくつの世界があるのか、
 それは私にも分からないけれど、
 豊のいる世界は、
 そのいくつもある世界の中の
 一つにすぎないの。
 死と生は無限に繰り返されているのよ。
 死んだからと言って
 消え去るわけではないわ。
 別の世界に移動するだけ」

中田先生の寝ているソファーの
ちょうど前の席にママと並んで座りながら
私はママの話を聞いていた。
先生も寝ながらじっとママを見つめている。

「どんなものにでも、
 果てがあると思うんだけど
 宇宙の果てって
 どうなっているんだろうね」
私の疑問がいきなり別の方向に飛んだ。
ママの今の話からどうして宇宙が
思い浮かんだのか自分でも不思議だ。
ママはニッコリと笑い、中田先生と
顔を見合わせた。先生も幾分顔色が
良くなっている。

「そうだね、私も宇宙がいったい
 どんなふうに広がっているのか
 知りたいもんだよ」
中田先生も私の顔を見て微笑んだ。
私の頭の中に無限の宇宙が広がって、
しばらくボーッとしていたが、
大事なことを思い出した。
こんな悠長なことを考えている暇はない。

「ねえ、さっきの奴あれはいったい
 誰なんだろう。ママはあいつの事
 ビジターだって言ったよね。
 それじゃ、あいつは僕の世界の
 人間なの ?」

「ええ、あの人は豊の世界の人間よ。
 でも、何かとても悪いモノに
 支配されているわね」
ママは眉を潜めた。

「じゃあ、和美さんと同じように
 悪霊に憑かれているって訳だね」
私がそう言うと、
ママは深い溜息をつきながら頷いた。 

〜つづく


="#CC0000">「ママの店16(前編)」
「ママの店16(後編)」
「怪談奇談」(幽霊屋敷)
ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

別荘

出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」

電子出版「短編集 闇の中の住人」 
2006.12.21. (00:09)  / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
ハレルヤ

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