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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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2007.01

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店
熟睡中

チャコが前足を吸いながら寝ている。どうもチャコの兄妹は吸う癖がある。チャコとチャオは人間の指を吸いたがるが、人間が忙しくて誰も吸わせてくれないときは仕方がないので自分の腕を吸うのだ。



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恩他さんはきっと
目が覚めてしまったんだろう。
ビジターはこの町を訪れても、
時間がくれば必ず現実の世界に戻る。
昭日町の住人は、
あちらの世界で死んでしまった人達。
でも、私はどういう訳か
ビジターでありながら、
現実の世界に戻ることが出来ず、
目が覚めてもずっと
この世界に留どまりつづけているのだ。

せっかく一緒に食べようとしていたのに、
ちょっと残念な気持ちで食卓を見ると、
さっきまで並んでいた料理の数々が
跡形も無く消えていた。

ありゃあ・・・食べ物まで無くなってるよ。

その時部屋の様子がおかしいのに
気がついた。
ここはもう自分の部屋では無い。
辺り一面真っ白だ。

異空間にでも移動したか・・・

いや、異空間ではなさそうだ、
よく見るとここは
壁も床も白で統一された部屋の中。
私はパイプイスに腰掛けている。
目の前には白い布で覆われた
こんもりと人型に
膨れた寝台のようなものが
置かれていた。

もしかしてこれは死体・・・?

はっと気がつき、寝台の左方向を見ると、
小さな机に白い布が掛けられ、
その上に白い陶器で出来た
丸い線香立てが一つ置かれてあり、
真新しい線香が一本立てられてあった。
線香から長く、白い煙が
真っ直ぐ立ち上っている。
私は線香の置かれた机の側に行き、
白い布で覆われた人型を
ぼんやりと眺めていた。
ふと胸の奥に小さな不安が生まれ、
それが急速に膨れ上がって来る。
やがて足がガクガクと震え始め、
その震えは体を這い上がり、
手の先から唇までを震わせた。
私は或る確信を持ち、
震える指で布の端をめくり上げると、
蝋のように白い顔が現れた。
閉じられた瞼の目尻は下がり、
寄せられた眉間には
深い悲しみの縦皺が寄っている。
その悲しい死に顔に、
私の胸はずたずたに引き裂かれる。
思わず膝を突き、身をよじりながら
嗚咽と共に苦い塊を吐き出した。

「お母さん・・・・」

それは紛れも無く母の遺体だった。

「お母様は本当にお気の毒でした。
、あなたの悲しみが
 私にはとてもよく分かります」
背中に大きな手の温もりを感じ、
振り向くと、涙でぼやけた視界の中に、
恩他さんが立っていた。

〜つづく

「ママの店16(前編)」
「ママの店16(後編)」
「怪談奇談」(幽霊屋敷)
ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

別荘

出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」

電子出版「短編集 闇の中の住人」 
2007.01.03. (00:42)  / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
ハレルヤ

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