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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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2007.01

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店
ブチを独り占め

何故かカリンはブチが好き、いつもブチの側にべったりとくっついている。でもブチはクロと兄弟で、いつも行動を共にしているからカリンはそれが気にいらない。クロがブチの側に寄ろうものならシャーッと威嚇する。お目出度いクロはカリンが何で怒っているのか分からない。カリンのことなど無視してブチの側に寄る。そしていきなりカリンの連続パンチを食らって跳び逃げするはめになる。クロに限らず我が家の男猫どもは女猫に弱い。どんなにふかれても殴られても絶対やりかえさない。そこんところは偉いとお母さんは思うよ。女の子に手を出す男は最低だ!



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「恩他さん、あのね、
 あなたは悪魔の僕(しもべ)に
 なったとかおっしゃってますけど、
 悪魔なんていやしませんよ。
 そりゃただの悪霊だ。
 悪霊は自分が救われたいから、
 他人を利用するんです。
 僕は何回か悪霊に付きまとわれて
 えらい目に遭いましたからね。
 そんなモノの言うことを
 聞いてはダメですよ」
私は恩他さんに早く
間違いに気づいて欲しかった。
しかし、恩他さんは私の言うことが、
気に入らなかったようで、

「けっ、話にも何にもなりゃしない。
 お前は無知で阿呆なガキだ。
 そんなだから、いつまでも行き場の
 定まらないビジター野郎なんだ」
ペッと床に唾を吐き捨て、
青白い顔をした恩他さんは
私の顔を上目遣いで睨みつけた。
さっきまでの人の良い恩他さんの
面影は微塵にもない。
これは完全に悪霊に支配されているか、
さもなくば最初から私を騙して
仲間に引きずり込もうとする
悪霊そのものだったのか。
私の怒りのボルテージが
だんだん上がって来るのが分かる。
そっちがそういう態度で来るなら、
私も受けて立とうじゃないか。

「おい、あんた、
 こっちがおとなしくしていたら
 いい気になって
 言いたいことを言ってくれるじゃないか。
 これでも僕はあんたのくだらない
 宗教の話を黙って聞いてやってんだ。
 こんなマニアックな話を
 まともに聞いてくれる人間は
 僕くらいのもんだぞ。
 それなのに言うにことかいて、
 阿呆だのガキだの
 行き場の定まらないビジターだのと
 失礼な!
 こうなりゃもう、あんたとは
 何も話すことなんかないね、
 僕にこんな嫌な
 過去の映像を見せたりして、
 いいかげんにしないと承知しないぞ」
私はボクシングの構えをして
恩他の野郎を睨みつけた。
出方によっちゃ
アッパーカットを食らわして、
ノックアウトしてやる。
しかし恩他は私の怒りなど無視して、
クニャッと薄い唇を曲げ、
嫌な笑いを浮かべて足元から
頭の先まで黒い煤になって
消えて行った。
そして私はいつの間にか、
母の遺体が置いてある安置室から、
昭日町の自宅の台所に戻っていた。

何かとても嫌な気分だ。
それはきっともう一度
母の悲しい死に顔を見たせいだ。
恩他の野郎が許せない、
今度現れやがったらただじゃすまさないと
私の怒りは収まらなかった。

「そうだ、怒れ、憎め、
 その感情が我々の仲間だという
 証なんだよ・・・・」
どこからか恩他の声と、
クククククと言う押し殺したような
笑い声が聞こえて来た。

〜つづく

「ママの店16(前編)」
「ママの店16(後編)」
「怪談奇談」(幽霊屋敷)
ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

別荘

出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」

電子出版「短編集 闇の中の住人」 
2007.01.07. (00:55)  / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
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