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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店
いつもの風景

我が家は大家族、一人病気になったって毎日の風景は変わらない。
今日から学校が始まる。いつもなら夜寝る前に日記を書くのだが夕べは
FC2を開いている人が多かったのか、サーバー落ちしてしまってアップ出来ない状態になった。朝が早いので早く寝ないといけないからアップを断念。やっぱり家族の中で病人(猫)が出たりすると生活リズムも狂ってしまうみたいだ。



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「先生、さっきから何を考えてるのさ」
と私が声をかけると、
中田先生はママに、鉛筆と何か書く紙を
持って来てくれるように頼んだ。
ママがカウンターの下をゴソゴソして
取り出したメモ帳と鉛筆を先生に渡すと、
先生は何やら一生懸命、
ひらがなばかりを書き並べては
うーん・・・と唸って考え込んでいる。

「先生それ、おんたそうまって
 書いてらっしゃいますね、
 あの恩他って人のことですか」
ママが先生の書いた文字を見て聞いた。

「本当だ、おんたそうまって
 あいつの名前だよ。
 あいつの名前がどうかしたの?」
思わず私も聞いてしまったのだが、
先生は手を止め、私の顔を見た。

「豊はあの男から名前を聞いたとき、
 妙な名前だと思わなかったか?
 おんた、そうまだなんて・・・」

そう言われれば、確かに妙な名前だ。

先生は文字をばらばらにして、
いろいろ組み合わせているうちに、
得心したように
私とママの顔を見た。

「見てくれ、この文字を。
 ま・お・う・そ・た・ん
 何か気がつかないかい?」

私は一瞬その文字が
何を意味しているか分からず
首を捻った。
ママは何かに気がついたように
はっとした顔になっている。

「先生それは・・・」
ママが低い声で先生に声をかけた。

「何だい二人とも、ずるいよ。
 僕には何が何だか
 ちっとも分からないよ。
 どういう意味なのか教えてよ」
私は自分だけ分からないというのが
とても悔しかった。

「いいか、恩他査馬の査と言う読み方は
 そう、と言う他にさうとも読める。
 昔は『そう』ではなく
 むしろ『さう』だった。
 だから、こうなるんだ」
先生が並べ替えた文字を見て、
私は背中にブルッと悪寒が走った。

「ま・お・う・さ・た・ん
 魔王サタンだ・・・」
私が声に出したとたん、ママは眉を潜め、
中田先生の顔を見つめた。

「じゃ、息子の雅羽も何かの意味が」
私が言うなり、先生は素早く
一つの言葉を書き記した。

「ま・お・う・さ・た・ん、だ。
 これも同じ魔王サタンと言う意味だ」

アナグラムですねとママが
先生に聞くと、先生は頷き、

「ママさんよくご存知ですね」
と言って笑った。
アナグラム・・・・
そう言えば何かで読んだことがある。
言葉を綴(つづ)りかえて、
元とは別の意味にすること。
また、その遊び。

「先生、僕も思い出したよ。
 でも、何であいつ
 アナグラムなんか使ったんだろう」

先生は首を傾げ、
ちらっとママの顔を見てから

「それは、多分
 悪魔は存在すると言う事を
 我々に示したかったんだろうよ」
と言った。

〜つづく

「ママの店16(前編)」
「ママの店16(後編)」
「怪談奇談」(幽霊屋敷)
ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

別荘

出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」

電子出版「短編集 闇の中の住人」 
2007.01.10. (08:36) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
ハレルヤ

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