笑ってェ〜
チャオがあんまり寂しそうな顔をするから、物凄くおもしろい顔を見せた。目をメ一杯丸くして、ヒョットコみたいに口を尖らせて、ヒュウーヒュウーと笛みたいな音を出してみた。僅かだがチャオの顔に変化が・・・その一瞬をパチリ!
どうじゃ、笑ったか?いや、アップして見たら全然笑ってないなあ・・・哀しい顔しないでよチャオ、お前が笑ってくれるまで、いくらでもおかしな顔を見せてあげるから。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21「だから、それは・・・」
「まあまあ、ママさん
先に私の話を聞いてくれませんか」
ママが言いかけた言葉を手で制し、
先生は私とママを前に
ゆっくりと話し始めた。
「ママさんがおっしゃりたいことは
良く分かっております。
確かに神と悪魔は
同一線上に存在するでしょう。
でもね、神が存在しなければ、
悪魔もまた存在しない・・・
ここがちょっと違うんです。
人間は本来弱い生き物でね、
自分の大切な者の命とか、
欲望の為なら平気で悪魔に
魂を捧げるんです。
和美さんを覚えていますか、
彼女も実の兄だと知らずに恋をして、
叶わぬ恋を叶えさせてやろうと言う
条件を出されて、
悪霊に取り込まれてしまいました。
和美さんは何も特別じゃありません。
心の弱い人間は多いですよ。
むしろ悪魔なんぞ存在しないんだと
言い切れる強い人間の方が
少ないんじゃないでしょうか。
だから、多分、恩他はすでに沢山の
僕(しもべ)を手中に収めていると
思うんですよ」
中田先生は目を
瞬(しばた)かせながら、
私とママの顔を見た。
ママはまた溜息をついて、
「人間て、そんなもんなのかしら・・・」
と遠い目をしてつぶやいた。
恩他が本当にサタンなら、
わざわざアナグラムなんて
ふざけた真似をするだろうか。
あまりにも幼稚すぎる。
ありゃどう考えてもただの悪霊だ。
「ねえ、恩他は
ただの悪霊じゃないの?
魔王サタンだなんてとても思えないよ」
私がそう言うと、
「悪霊も悪魔も同じさ。
要は力の大きさだ。
恩他は仲間を集めて強力な力を
得ようとしているんだ。
なりたいんだよ、魔王サタンに」
先生の顔には怒りが満ちていた。
〜つづく
「ママの店16(前編)」 「ママの店16(後編)」 「怪談奇談」に
(幽霊屋敷)ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。
別荘出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」電子出版「短編集 闇の中の住人」
2007.01.11. (00:54)
小説 文学 /
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