なんにゃこりゃ?
チュッパチュッパ指吸いしているブチの頭に漏斗を被せてやった。いつもこの漏斗で湯たんぽにお湯を入れている。
「何だろ、ホカホカ暖かいニャ〜」そりゃ暖かいだろうよ、今これであんたの湯たんぽを作ったんだからね。それにしても良く似合うゾ。
(バックナンバーは「続きを読む」の中)「あれを見てっ」と涼子さんが指を差す。
見ればいつの間に生き返ったのか、
良太君が外れた首を両手でつかみ、
元の位置にくっつけようとしている。
ワンコも四本の足で立っていて、
血の雫をを払うかのように、
ブルッと体を震わせた。
良太君やワンコだけでは無い、
恵子ちゃんやリリーさん和美さんも、
血まみれのまま立ち上がり、
じっと我々の方を見ている。
「犬山さん、分かっているわね・・・」
ママが少し心配気に声を掛けると、
犬山さんは、分かっていますと
短く答えて頷いた。
どういう出方をして来る・・・・
「とりあえず英二を放してやろう」
と中田先生が言い、涼子さんや
ママ、犬山さんもその方がいいと頷いた。
こんな野郎を野放しにしておくと
ろくな事がないと言おうとした
私の顔色を読んだのか、
「こいつがいると足手まといなだけだ」
と言って中田先生が私の顔を見た。
そう言われればそうかも知れないと考え直し、
剣を引っ込めてやると、英二はいきなり
訳の分からぬ叫び声をあげ、
転げるようにして逃げて行った。
「やっぱり逃がすより、
殴って気絶させといた方が
良かったんじゃない?」
と私が言うと、
「あんな雑魚は放っておけばいいさ」
と中田先生が笑って剣を股の間に挟んで、
両手をブルブルと振るった。
きっと長く英二の手を、
つかんでいたから痺れたんだろう。
ワンコがトコトコ良太君の周りを歩き始めた。
まるで檻の中に閉じ込められたオオカミが、
歩き回っているように見える。
ワンコの足がいきなり止まったその時、
またさっきと同じ様に変身が始まった。
みるみるうちにワンコの全身が膨れ上がり、
皮膚に亀裂が走り出す。
茶色い体毛が皮膚ごとバラバラと剥がれ落ち、
無数の血管を這わせた肉が露になった。
白濁した粘液を糸引きながら、
化け物に変身したワンコは、
耳まで裂けた口を大きく開け、
グルグルと唸りながら、
いつでも我々に飛び掛れる態勢に入っている。
変身したのはワンコだけでは無い、
良太君や恵子ちゃんリリーさん達も、
ガルルルルと不気味な音を出しながら、
筋肉と血管だけの化け物と化し、
丸い眼球を血走らせ、むき出しの歯茎から
チョロチョロと細い赤い舌を覗かせている。
「来るわよ!」
ママの言葉が合図になったかのように、
五体の化け物が我々目掛けて歩き始めた。
今より戦争が始まる。
〜つづく
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「怪談奇談」に
(幽霊屋敷) 連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」7話目ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。
出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」電子出版「短編集 闇の中の住人」
2007.03.13. (00:11)
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