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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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2007.03

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店
台所奉行


今日も台所で悪さをする猫どもをシュウが見張ってくれている。猫でありながら人間に寝返ったと責めを受け、仲間はずれになったのが原因でノイローゼに陥り、奉行の職をチビのトウに任せ小屋に引篭もった。しかしトウはあまりに小さすぎて大猫どもに馬鹿にされ、着任わずか一日で職を辞す。台所はしばらく奉行不在の無法地帯と化していたが、今回己に対する悟りを開けたシュウが、無事カムバックしてくれることと相成り、めでたし、めでたし・・・



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水画面の中では、
恩他が居るという事を除けば、
あの時の状況に何ら変わりなく、
我々の行動を再生し続けている。
自分達の姿を客観的に見るのは、
何とも言えない不思議な気持ちになる。
今丁度、箱に入った恵子ちゃんが、
終わったら一緒に遊びたいと
涼子さんに言っている場面だ。
「うん、遊ぼうね。
 終わったらそっちに行くから
 待っていてね」
涼子さんが恵子ちゃんの手を握って
約束した。

こんな場面を見るのはさぞかし辛いだろうと、
そっと側にいる涼子さんの様子を窺うと、
涼子さんは目に涙を浮かべ、
「絶対迎えに行くからね」を繰り返している。
クソッ何でこんな事に・・・
重い気持ちで目を画面に戻すと、
場面は進んで、箱の中から
良太君の叫び声が聞こえており、
みんなが慌てて箱の側に行く。
蓋が開けられ、中でリリーさんが
今にも泣きそうな顔の恵子ちゃんを
前に抱いて現れた。
「真っ暗になったもんだから、
 もう恵子が怯えて大変だったよ。
 どうなってんだ、この箱」
りりーさんの横で良太君が
プンプン怒っている。

何気に中田先生を見ると、
やはり先生も良太君を見るのが辛いのだろう、
グスッと鼻を鳴らす音を立てた。

こんな場面ばかり見せられたら
頭が変になっちまう・・・
「おいっ、恩他!何とか言ったらどうだ」
私は恩他を睨みつけた。
恩他には私の声が聞こえているのかいないのか、
身動き一つせず、幽霊のように
ぼうっと立っているだけだ。
顔の表情も陰になっていて分からない。

「もう少しですね、もうちょっとで
 我々が飛ばされるシーンになる」
真っ赤に目を充血させて、
食い入るように水面を見ていた犬山さんが
暗い声で言った。

「豊自分を責めちゃダメよ、私達はあんたを
 迷惑だなんて思った事が無いわ・・・」
画面の中でママが私を慰めている。
犬山さんの言う通り、
とうとう運命の瞬間がやって来た。
この時私は自分が道をつけたばかりに、
みんなを危険なめに遭わせているのだと思い、
悶え苦しんでいたのだ。
そして意識が遠のいて行った。
崩れるようにして倒れる私に、
ママ達が駆け寄るのが見える。
それを見て気がついた事があった。
私の側にいるのはママ、犬山さん、涼子さん、
中田先生の四人、
つまり一緒に飛ばされたメンバーだ。
リリーさんは少し離れた所で
恵子ちゃんや良太君を包むように
抱いて見守っている。
やがて私とママ達の姿が、
霞のように消え始めた。

「みんな、何処へ行くの?
 いやっ行かないで!猛さん」
リリーさんが泣き叫んでいる。
恵子ちゃんがママーと呼んで駆け寄り、
良太君も必死の形相で走り寄った瞬間、
私達の姿は掻き消えた。

〜つづく

別荘

「ママの店16(前編)」
「ママの店16(中編)」
「ママの店16(後編)」
「ママの店17前」
「ママの店17(中編)」をHPにUPしました。
「怪談奇談」(幽霊屋敷)
連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」話目

ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」

電子出版「短編集 闇の中の住人」
2007.03.24. (00:23)  / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
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