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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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2007.05

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店
シマジロウ


シマジロウは狸のような尻尾をピンと立てて、フルフルッと痙攣させながらオシッコをする。そして終わると「ちゃんとトイレで出来たよ」と誇らしげな顔をして私を見る。私は「良く出来た、おりこうだね」と褒めてあげるのだけど・・・・おいっ、ちょっとシマジロウ君はいったいいくつなんだい?オシッコをトイレでするのは当たり前なんだよ〜と思いながらも頭を撫でてしまう親バカチャンリン。




ー赤い虹ー

白砂をサクサクと音立てて進んでいると、
ココナツ並木がすぐ近くになった。
このココナツ並木を過ぎると大通りに出る。
ポツンと足元の砂に丸い窪みが出来た。
何だろうと思っていると、
窪みは一つ二つから、
やがて数え切れないほどに増えて来た。

「あっ、雨が降って来た」
誰ともなしにの言葉を合図に、
我々はココナツの木の下に走り込んでいた。
空を見上げれば青空はいつの間にか
鉛色の曇天に変わっており、
雨は雫から極細の針になり、
激しく地面に突き立て始めている。
いくら生い茂っていようとも、
ココナツの葉っぱなどでは
持ち応えられないほどの
本降りになっていたが、
かと言って何処かへ移動する間に
ずぶ濡れになってしまうだろう。
思う事は同じなのか、
誰一人動かず喋らず、無言のまま
ぼんやり立って雨を眺めている。

激しい戦いだった・・・

おそらくみんなは、
くたくたに疲れているから
無言になっているに違いない。
だけど、私の頭の中は
さまざまな不安と疑問で
パンパンに膨れ上がっていた。
父さんと母さんは店にいるだろうか、
ゴンは・・・
私の愛して止まない昭日町が、
もし、まだ異世界であったとしたら、
私の大切な者達はこの世界に存在しない。

若返って消えた恩他の事が引っ掛かる。
行くべき所へ行ったのならそれでいい。
でも、もし、まだこの世界の何処かに
隠れているのだとしたら、
また戦わねばならないのだ。

ママの胸元にある赤い石にふと目をやる。
さっきの英二は本物だろうか・・・
私は恩他がママの店に現れる前から
英二を見ている。
あれも恩他が化けた英二であるのなら、
恩他はかなり前から我々の側に
存在していた事になる。

そう言えばさっき中田先生が、
「英二って人の事で、
 ちょっと気になる事がある」と
言っていたような・・・
ひょっとしたら先生も私と同じように
英二について疑問を
感じているかも知れない。
期待を持って先生を見ると、
先生は親指と中指の爪先で、
鼻毛を一本抜いて眺めていた。

あ・・・考えすぎだったかも・・・
私の想像は一気に萎えた。

〜つづく

「ママの店」(激闘編)をHPにUPしました。
別荘
「怪談奇談」(幽霊屋敷)
連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」話目

ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」

電子出版「短編集 闇の中の住人」
2007.05.04. (00:41)  / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
ハレルヤ

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