仲良しコンビ
朝から調子が悪くて起きられず、猫達の食事を作ってやるのもやっとだったが、猫達はご飯を食べた後、代わる代わる、寝ている私の顔を覗き込みに来ては頬ずりしてくれたので思わず涙がポロリ・・・とても嬉しかった。もう大丈夫だからね、心配してくれてありがとう。
どうやら連休にパソコンをやりすぎたみたいだ。
1 2良太君の言葉を待っていたかのように、
雨音が次第に小さくなり始め、
鋭く長い針と化していた雨も
今はちゃんと雫の形に見えている。
「どうやらもうすぐ上がりそうですね」
と犬山さんが言った。
ザーッと鳴っていた雨音が、
ポツリポツリとゆっくりとした音に
変わり始め、やがて音とともに雨が止むと、
重い曇天が、まるで引き潮のように去り、
真っ青な空が一面に広がっていた。
しかし、そこに我々が見たものは・・・
「あっ、虹が・・・」
恵子ちゃんが嬉しそうに空を指差したあと、
すぐに顔から笑顔を消した。
「うえっ、気持ち悪りい・・・」
良太君が首をすくめた。
確かにその光景は異様だった。
こんな虹は見た事が無い。
今青空に橋架けているのは、
子供の頃から慣れ親しんで来た
あの美しい七色の虹とは
全く異なる物だった。
「何か嫌な予感がしますねえ・・・」
涼子さんが空を見上げながらそう言うと、
ママも眉間に皺を寄せて頷いただけで、
黙ったままじっと空を睨んでいる。
「中田先生、こんな単色の虹って
あるんでしょうか」
犬山さんが先生に聞いた。
リリーさんも犬山さんの腕にしがみつき、
不安そうに先生の顔を見ている。
先生はうーん、と唸りながら、
「そもそも虹って言う物はねえ、
空中の水滴粒子にあたった光の屈折と、
分光によって生じる物であって、
内側が紫、外側が
赤の配列をしているものなんだよ。
全部赤と言うのも・・・しかも、
ありゃ光の屈折や分光なんかじゃなくて、
まるで空に不透明な絵の具か何かで
描いたような・・・」
絵の具か何かで・・・・
「ねえ、血で描いたように見えない?」
まるで私が禁句をうっかり
口にしてしまったかのように、
たちまちみんなの表情が凍りついた。
恵子ちゃんがブルブル震えて、
涼子さんにしがみつく。
「こりゃ、只事じゃないみたいね」
ママがポツリと口にしたので、
「それじゃ、まだ戦いは
終わって無いって事なんだね。
恩他はまだ生きていて、この町は
あいつが支配している・・・って事?」
私がそう聞くと、ママは
厳しい顔をして私を見つめ、
下唇を噛んで頷いた。
〜つづく
「ママの店」(激闘編)をHPにUPしました。
別荘「怪談奇談」に
(幽霊屋敷) 連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」10話目ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。
出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」電子出版「短編集 闇の中の住人」