勢ぞろい
今夜のオカズは鯖・・・味付けをしない生の物を猫達の為に先に焼く。
香ばしい匂いにつられてカウンターの上と私の足元に猫達がワラワラと集まって来た。今日の鯖は油がのっていて美味しいよ!病み上がりの子鼻炎の子、年寄りちゃん達には特に沢山食べてもらうからね〜カリンちゃんも頑張って食べるんだよ、食べるのが遅くたっていい、しっかり最後まで食べるんだ。
1 2 3 4 5 6広い車道を隔てて右は海岸、
左はさまざまな店が立ち並ぶ
通りになっている。
いつもなら、その先に
デパートがあるせいか、
この通りはたくさんの人が
行き来している。
それが今は我々以外に
誰もいないのだ。
道路を渡って左に行けば私の家で、
右に少し歩いてすぐ左折すれば
ママの店がある。
そのもう少し向こうに
商店街の入り口があり、
私の両親の店があるのだ。
我々は涼子さんの言葉を聞いて、
立ち並ぶ店舗を順番に覗いて行った。
中に入って確かめたかったが、
入り口はすべて異界に通じる扉だと
思った方がいいので、
ドア越し、窓越しに中を確かめるのに
留めておいた。
涼子さんの言う通り、
見事に人の気配が無い。
その時ふと頭の中を過ぎったのは、
我々の行き先はどうせ異世界、
それならわざわざ
ママの店に行かなくても、
何処かの扉を開ければ突入できる。
こうして周りを警戒しながら
歩いている時間が、
もったいないような気がした。
「ねえ、どうせ異世界に
続いているのだったら、
何処かの店のドアを開けて
入っちゃえば
手っ取り早いんじゃないの?」
私が誰ともなしにそう言うと、
ママが厳しい顔をして首を横に振った。
「今やこの町にあるドアは、確かに
異世界に通じている可能性がある。
でも、異世界は一つだけとは限らないのよ」
異世界は一つだけとは限らない・・・
間違って両親が存在しない世界に
入り込んだりしたら、
それこそ無駄な時間を
費やしてしまう事になる。
しかし、ママの店が必ず
目的とする世界に、
通じていると言う保証はあるのか。
「そうですね、ママの店なら
私達と深く関わりのある世界に
通じている可能性が大きいですよね」
涼子さんが私の疑問に、
答えてくれるかのように言った。
そりゃそうだ、すべてはママの店から
始まっているのだ。
「そうと決まりゃ早く行こう。
ぐずぐずしている暇はない」
中田先生がそう言った。
〜つづく
「ママの店」(激闘編)をHPにUPしました。
別荘「怪談奇談」に
(幽霊屋敷) 連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」10話目ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。
出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」電子出版「短編集 闇の中の住人」
2007.05.15. (00:42)
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