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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店
フクの災難

ナナがシュウ達を産んだ時、フクもパパとして一緒に籠に入り仲睦まじい一家が出来上がっていた。それがある日突然ナナが籠から飛び出して子育てを放棄した。子供達がナナを慕い、後を追いかけると恐い顔をしてシャーと威嚇する。子供達は何故母親から威嚇されるのか分からず、オロオロしながらもフクと一緒に籠の中で暮らしていたが、そこにチャコが擬似ママとして乗り込んで来た為、ややこしい事になった。邪魔になったフクが放り出されたのだ。そして結局フクもナナの為に子供達から憎まれる事になってしまった。神に誓って言うけれど、フクは絶対何も悪くなかった、只ナナのトバッチリを受けただけなのだ。



        

「うぅぅ、しかしまあ、
 前から思ってたけど
 この着地は考えないといけないなあ」

中田先生が腰でも打ったらしく、
唸るような声を出している。
私はこの前犬山さんに驚かされ、
ママの店の前でひっくり返った時の
腰の痛みを思い出した。

「恵子大丈夫?」
涼子さんが恵子ちゃんを気遣うように
声を掛けた。

「大丈夫だけど、くしゃい所だね」
確かに恵子ちゃんの言うように、
さっきから何かが腐ったような
強烈な悪臭が漂っている。

「本当だ、臭せえ・・・」
良太君も口を覆っているのか
変な声になっている。

「ママ、ここは何処だろう?
 ママのいた世界とは違うように
 思うんだけど・・・」
と私が聞くと、

「ええ、違うわね。
 とにかく目が慣れて来るまで
 どうしようもないわ」
 
私は今まで何度も
異世界に飛んでいるから、
移動した直後は何も見えない事を
よく知っている。
ママの言うように、
見えるようになるまで少し時間が
掛かるのだ。

「この臭いが気になるねえ・・・」
中田先生が呟くと、
「えっ、この臭いがどうかしましたか?」
と犬山さんがすぐに聞いた。

「うん・・・これは血の臭いだ」

先生が即答したとたん、
キャッとリリーさんが小さく叫び、
ゴソッと動のが分かった。
暗くて見えないけど、多分犬山さんに
しがみついたに違いない。

「そうか、どうりでワンコの様子が
 おかしいと思ったよ。
 こいつ血の臭いに反応しているんだ」

良太君が言う通り、
動物は血の臭いに反応する。
近くに死体があるのかと思った時、
あちこちから微かな音が聞こえて来た。
耳を澄ますと、どうやら
人の呻き声のように思える。

誰かが怪我でもしたのかと心配になり、
「ねえ、誰か怪我したの?」と聞くと、

「私達じゃないわね、この場所に
 私達以外の誰かがいるのよ」

ママが囁くような暗い声で、
一番聞きたくない言葉を言った。
 
「恐いでしゅ、何も見たくないよ」
恵子ちゃんが言うと、

「いや、早く見ないと
 もっと恐い気がするよ」
良太君の声が震えている。

そうだ、良太君の言う通りだ。
早く見えるようにならなければ、
今我々が置かれている状況が
分からない。

そうこうしているうちに、
辺りの様子が
ぼんやりと浮かび上がって来た。

〜つづく

「ママの店」(激闘編)をHPにUPしました。
別荘
「怪談奇談」(幽霊屋敷)
連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」10話目

ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」

電子出版「短編集 闇の中の住人」
2007.05.21. (00:11)  / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
ハレルヤ

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