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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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2007.05

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店
シュウ

鶏肉が栄養があると聞いたので、ここのところ猫達のオカズは鶏の胸肉かささ身の焼いたものばかり。鶏肉を焼くといい匂いがするので猫達はワラワラと台所にやって来る。カウンターにはシュウが頑張っているので私の足元は猫だらけだ。カウンターより足元の方が危ない気がするんだけど・・・それにシュウったら他の猫を追い払って、自分だけ匂いを独り占めにしてない?



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白衣の男達の年の頃は四十前後か、
医者のような姿をしてはいるが、
白衣の下には相当の筋肉が
ありそうだ。
今まで気がつかなかったが、
ドアの近くの壁際に
ストレッチャーが置いてあったらしく、
ガラガラとコマの音を響かせて
通路を真っ直ぐこちらに向かって来る。
こちらの姿は見えていないと
分かっていても、
ぶつかるのは嫌だから、
我々はすぐに通路を開けた。

「い、いやだぁっ!」
檻の中で男が悲鳴をあげたが、
ストレッチャーは男の檻を素通りして、
隣の檻の前で止まった。
カチャカチャと音立てて鍵が開けられ、
三人の男はストレッチャーを
檻の中に入れた。

「どうだ、薬無しでも行けそうか」
白衣の男が初めて喋った。
低いが、ごく普通の話し方だ。

ベッドの上にいる人間を
別の男が覗き込んでいる。

「何かもう息をしていないよ」
そう言いながらゴソゴソ手で
探っているようだったが、
「大丈夫だ、まだ少し脈がある。
 急いで運ぼう」
いくぶん明るい声でそう言った。

「急いで運ぼうと言うからには、
 何か治療でもしてやるのかな」
と私が小声で呟くと、

「多分、そんなんじゃないと思うわ」
ママが暗い声で答えた。

白衣の男達はよっこらせと
掛け声を掛けて、ベッドから人間を
ストレッチャーの上に移動させて、
すぐに檻から出て来た。

「うわっ、何だこれは・・・」
中田先生がストレッチャーの上に
乗っている物を見るなり
唸るような声を上げた。
涼子さんは顔をしかめ、
口を押さえてしゃがみ込む。

「これは酷い・・・」
犬山さんが絶句した。

「酷い事をするわね」とママが呟く。

ストレッチャーの上には、
血の滲んだ包帯にぐるぐる巻きにされた、
巨大な芋虫が乗っていた。

手足が切断されている・・・

「急ごう、内蔵がダメになる」
男達はガラガラと大きな音を立てて
ストレッチャーを押しながら
ドアから出て行った。

「あいつらは、俺達を
 人間とは思っちゃいないんだ」
いつの間に側に来たのか、
檻の中の男が鉄柵にしがみ付いていた。
男はまだ二十代の後半くらいの年恰好で、
頭と胸に包帯を巻いているが、
白い部分が少しも残っていないほど
血で真っ赤に染まっている。
でも、手足があるだけ、さっきの
人間よりはまっしだ。

「今連れて行かれた人は、
 手足も取られたのか?」
私がそう聞くと男は、

「そうだ、あいつは手足も取られ、
 舌も無い。
 それなのにまだ生きてやがるんだ。
 今度は何を取られるのかなあ・・・」
男は檻の扉にしがみ付き、
声を震わせ、すすり泣きを始めた。

〜つづく

「ママの店」(激闘編)をHPにUPしました。
別荘
「怪談奇談」(幽霊屋敷)
連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」10話目

ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」

電子出版「短編集 闇の中の住人」
2007.05.28. (00:08)  / TRACKBACK(-) / COMMENT(-) /
ハレルヤ

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