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樋口裕子

  • 名前:樋口裕子
  • HP⇒ハレルヤ

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2007.08

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オンライン小説&出版本紹介のHP「ハレルヤ-樋口裕子-」のブログ、夢日記や短編小説など書いていく予定です。(コメントの欄に業者の方の宣伝はご遠慮願います)
 我が家の猫達&ママの店
そっくり

私の部屋の机の上にフクがまた乗っている・・・あれ?フクじゃないよ、あれはトウちゃんだ。トウは本当にパパに良く似ている。

ビリーDISC3一日目DISC3は腹筋に重点をおいた運動ばかり。一番気になっているのが腹筋なのでとても嬉しい。


1〜57は「続きを読む」の中
58 59



ママがベッドに近づき、
そっと赤ん坊の耳に
顔を寄せた。
そして優しい声で、
「オメメを覚まして、
 パパが迎えに来てくれたのよ」
と囁いたとたん、
今まで重苦しかった辺りの空気が
サッと軽くなるのを感じた。

生きていた!

きっと今、みんなの心にも
明るい希望の光が
射しているに違いない。
犬山さん中田先生、涼子さんが
じっとママのする事を見ている。
山村はグスグスとまだ鼻を
鳴らしているが、
その顔には喜びと期待が
満ち溢れている。

ママが赤ん坊の口に
そっと手を当てると、
赤ん坊は
オッパイを飲んでいるように
小さな口元を
モグモグさせ始めた。
ママが山村の方を向き、

「さあ、聡ちゃんを
 抱いてあげて」と促すと、
山村は嬉しそうな顔をして頷き、
涙と鼻水で汚れた手を
ズボンで拭い、腰をかがめ、
壊れ物を扱うように、
そっと赤ん坊を抱き上げた。
山村の胸で赤ん坊は目を覚まし、
自分を抱いているのが
父だと分かったのか、
ウキャアと嬉しそうな声をあげた。
その柔らかそうな頬っぺた、
目元口元、耳たぶ、
手足指、どれを見ても愛らしく、
この子は本物の
天使なんじゃないかなと
私は思っていた。
山村は我が子を抱きしめ、
頬刷りしたあと、
口を尖らせ、目を丸め、
おもしろい顔をして
赤ん坊をあやし始めた。
ウッキャウッキャと
赤ん坊は山村の腕の中で
喜んでいる。

「良かったわ、聡ちゃん
 無事だった・・・」
涼子さんが明るい声で
言いかけたが、
犬山さんや中田先生の顔を見て
最後の言葉が
小さくしぼんでしまった。
犬山さんが、
黙ったまま複雑な顔をして
ベッドの上を指差したとたん、
あっ、と涼子さんが
小さく声をあげた。
何とベッドの上にも赤ん坊が
横たわっている。
一瞬私もギョッとしたが、
よくよく考えてみれば、
幽霊の山村が
生きている赤ん坊を
抱けるはずが無い。
山村が今抱いているのは・・・

「山村さん、聡ちゃんはずっと
 あなたが迎えに来るのを
 待っていたのよ。
 聡ちゃんは大好きなパパが
 きっと迎えに来てくれると
 信じていたの」
山村に語りかけながら、
ママはそっと目頭を
指で拭っている。

「ありがとうございました。
 みなさんのお陰で、
 聡を取り戻す事が出来ました。
 もう何も
 思い残す事はありません」
山村は赤ん坊を抱いたまま、
頭を下げた。
すると、玲子さんの時と同じように
山村父子の体が少しずつ
薄くなり始め、
山村がもう一度嬉しそうな顔で
頭を下げた瞬間、
スッと跡形も無く消えてしまった。

〜つづく

「ママの店」(激闘編)をHPにUPしました。
別荘
「怪談奇談」(幽霊屋敷)
連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」11話目

ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。

出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」

電子出版「短編集 闇の中の住人」 
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2007.08.07. (00:01) 小説 文学 / TRACKBACK(-) / COMMENT(0) /
ハレルヤ

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