ボクを忘れてる〜
最近私がチャオにかかりきりなのでシュウが拗ね様になっている。自分はアイドル的存在だと思っているから可愛がられるのはいつも自分でなきゃ嫌なのだ。
シュウよ確かにあんたは可愛い。でも忘れちゃダメ家族はみんな平等だ。
1〜57は「続きを読む」の中 58 59 60 61 62 63 64しばらく言葉が
何も浮かんで来なくて
黙っていたら、ママが
心配そうな顔をして私に近づき
そっと手を握ってくれた。
「ママ・・・」と言った私の顔に、
不安が見えたのか、
「大丈夫よ、いつも一緒だからね」
ママは真剣な目をして、
握った手にグッと力を入れて来た。
すぐに中田先生、
犬山さん、涼子さんが寄って来て、
みんな私の腕をしっかり
つかんでくれている。
犬山さんは、私の腕に自分の腕を
ガッチリ絡ませてくれているから、
これじゃまるで警官に捕まった
犯罪者だと笑いそうになった。
でも、嬉しい・・・
こんなにもみんなは
私を心配してくれているんだ。
「ありがとう。これならもう
一人ぽっちにはならないよね」
私がそう言ったとたん、
周りの景色がグニャリと変形した。
柔らかいカラー粘土のような
色の洪水の中に私は飲み込まれ、
こね回され捻られながら
流線型をした色の一部と化し、
まるで飴細工のように
ビヨーンと長く伸ばされ、
広がり始める。
「うわあっ!
今度のはきつすぎるぅ」
私は絶叫しながら
最悪の事態に気がついた。
さっきまで強く感じていた
みんなの腕や手の力と温もりが、
知らないうちに消えてしまっている。
また一人になった・・・
みんながいくら、しっかり
手を握ってくれていても、
歪は容赦なく私だけを連れて行く。
一人で飛ばされるのは
慣れているはずなのに、
ママの掌の温もりを思い出し、
涙が溢れて止まらない。
〜つづく
「ママの店」(激闘編)をHPにUPしました。
別荘「怪談奇談」に
(幽霊屋敷) 連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」12話目ブログに書き溜めたものをアレンジしておりますが、
暴力シーンやグロテスクな表現が含まれておりますので
ご注意ください。
出版「ハレルヤ」「ひとでなしの倫理」電子出版「短編集 闇の中の住人」
2007.08.29. (00:40)
小説 文学 /
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