フク
最近夜が寒いくらいになって来たのでフクが布団の中にはいって来る。
でも私はしばらくパソコンをしてから寝ると決めているので、なかなか布団に入らない。フクは椅子に寝そべって私がパソコン終わるのをじっと待っているのだ。「まだなのう・・・?」って目が切ないので、今日は早く寝てやろう。
1〜57は「続きを読む」の中 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68ママの声に一瞬ハッとしたものの、
腕を突き出し、真剣な目をして
私の顔を睨みつけている
恩他を見ていたら、
もう一度だけこいつの話しを
聞いてやろうと言う気持ちに
なって来た。
それがママの言う、
恩他のペースに乗せられている
と言う事なのかも知れないが、
こうなったら話しの中から、
矛盾を見つけて追い詰めてやるのも
おもしろい。
嘘で固めたこの男のすへてを剥ぎ取り、
本当の姿を曝け出してやりたい。
私はまたソファーに
ドカッと腰を下ろした。
恩他は突き出していた腕を引っ込め、
膝の上で両手を組んでいる。
「どうやら私の話しを
聞いてくれる気になったみたいだね」
気のせいか、恩他は少し
疲れたような顔をしている。
左腕の傷が痛々しい。
腕、痛いだろう・・・
あんたがいきなり突き出すから、
いけないんだぞと心の中で思ったが、
声には出さなかった。
戦いとはそう言うものだ。
私が黙ったままでいると、
何を思ったのか、
恩他がいきなり立ち上がった。
話しを聞けと言うから
聞こうとしてやっているのに、
何でこの男は立ち上がるんだ。
たちまち怒りに火がついた。
私もすぐに腰を上げ、
テーブルを挟んで
睨み合いの状態になった。
「おいっ、
いきなり立ち上がったりして、
こりゃいったい何の真似だ」
私が怒気を含んだ声を出すと、
恩他は笑ったような目になった。
「何がおかしい・・・」
もはやここまでと思った私が、
声を落とし背中の剣に手をやるのを見て
恩他は顔をしかめて首を振った。
「違う、そうじゃない。
君が今いるこの世界は、
私の過去だと言ったろう?
だから、歩きながら
話しをしようと思うんだよ」
そうか、ここは過去の世界なんだ。
恩他は今からこの施設の秘密を
私に見せるべしなんだ・・・
「いきなり立ち上がるから、
また騙されたのかと思ったよ」
私の言葉に恩他は苦笑いをして、
顔の前でゆっくり手を振って見せた。
絶対信用出来ない奴だと知りながら、
私は恩他の後に
ついて行こうとしている。
ドアから向こうは嘘の世界で、
一歩足を踏み出したら最期、
二度とママ達に会えなくなって
しまうかも知れない。
でもここで恩他と一騎打ちをする事が
果たして正しい選択なのかと考えると、
それもまた疑問に思えるのだ。
たとえ私が勝ったとしても、
たくさんの疑問が残る。
もし万が一恩他を取り逃がしたら、
昭日町を取り返す日が遠ざかるだろう。
「分かったよ。
じゃあ案内してもらおうか」
私は恩他の後についてドアから
外に出た。
〜つづく
「ママの店」(激闘編)をHPにUPしました。
別荘「怪談奇談」に
(幽霊屋敷) 連載小説「ドタバタ 新米刑事とベテラン刑事」13話目
2007.09.12. (00:52)
小説 文学 /
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