トウ
トウは我が家で一番小さな女の子。ナナとフクの娘なのだが、
これがまた全然大きくならない。
そのくせ悪戯はピカイチで、さっきも台所に忍び込み、
私らの目を盗んで引き出しの中に入った。
三段ある引き出しの一番下は薬入れ、
二段目は包丁入れにしている。
一番上は工具を入れているが、
ここは薄い引き出しなので猫が入る隙がない。
問題は薬の入った一番下。
トウはいつもここに忍び込むのだ。
クロめに肩を爪で怪我させられたので、
薬を塗ろうと下の引き出しを開けた。
そのとき一瞬目を離した隙に
トウが滑り込んだのを知らなかったのだ。
微かな鳴き声が聞こえて
一番最初に気がついたのが長女、
たちまち長女と私の顔が蒼ざめる。
恐々引き出しを開けたが下にはいない。
えっ? と言う事は・・・
包丁の引き出しを開けたらトウがいた。
私はいつも包丁をタオルでくるんでいる。
でも最近忙しくて、
くるまずに二三本むき出しのままだった。
刃に当らないように
そっとすくい上げてやろうとしても、
トウは叱られるものと思い暴れだした。
動いたら切れる・・・
やっとの思いで救出したのだが、
何処も怪我していないか確かめるのに
これまた冷や汗をかいた。
結局無事だったのだが、
包丁をしっかりとタオルで巻き直したのは言うまでも無い。
猫は怖い、何をするかわかったもんじゃない。
包丁、箸、ナイフ、フォーク
台所には危険がいっぱいなのだ。
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2008.01.08. (22:50)
小説 文学 /
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