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改訂版「ママの店」
前回までのお話・・・
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楕円形のテーブルを囲み、
四人がそれぞれ手持ちのカードを見て
慎重に相手のカードを抜いていく。
抜いたカードと手持ちのカードが同じだった場合
その二枚を捨てることが出来る。
私がママのカードを抜き、
ママが先生のを抜き、
先生が犬山さんのカードを抜く。
そして私のカードを犬山さんが抜き、
私がママのを抜くと言ったふうに
グルグル回るのだ。
結構合うのがくるなと楽観していたら、
ママからババを頂いた。
ゲッ、やっちまったよ・・・と思った瞬間、
犬山さんが私の顔色を
うかがっているのに気がついた。
やばい、顔に出てなかったろうな・・・
ババがきたと気づかれちゃう。
かくなる上は何が何でも
犬山さんにコレを抜いてもらわねば。
私はさり気なくカードを混ぜ、
わざとババの横にあるカードを少し高くする。
人間は目立つ物があれば
意識してソレを避け、
その隣にある物を取ろうとする。
これぞ、おびき寄せ裏かきの極意なり。
こいっ、犬山!と心で念じたのが通じたらしく
彼は震える指でババを抜いた。
犬山さんがグッと生唾を
飲み込んだのがわかったが、
私と同じことを思ったのか
平然とした顔で先生の方を向く。
ババを犬山さんに抜かせて
ホッとしたのもつかの間、
何と一周してまた我が元へやってきた。
ぐうぅ・・・今度は同じ手を使えない。
みんなそれぞれ手持ちが
少なくなってきているのを見て
私は焦り出す。何と犬山さんも
残り一枚しかないではないか、
次に抜いたカードが合えば上がりだ。
ババ抜きくらいでこんなに焦るのは、
すべてバツゲームのせいだ。
地獄になんかいきたくない、
私の額から脂汗が滲み出る。
犬山さんがゆっくりと私のカードを抜く。
抜いたカードを見た瞬間、
犬山さんの顔がパッと明るくなるのがわかった。
「ワオッ!上がりです」
満面笑顔でバンザイと両手をあげて
喜んでいる犬山さんをぼんやり眺めている私。
この虚脱感は何なのだろう。
私は空ろな目をして、
ママが嬉しそうな顔をして持っている
たった一枚のカードを取る。
ママは両手の平をパッパと払う仕草をして、
ワーイ上がっちゃったと
嬉しそうにはしゃいでいる。
いいさ、と私はフッと笑う。
まだ勝敗は決まっちゃいない、
先生が残っているもの。
しかし舐めちゃいけない、
先生はいつも入院中の子供達と
トランプをしている手ダレだ。
何度かババがいったりきたりして
私と先生は白熱した戦いを繰り広げていたが、
とうとう先生の方が先に
最後のカードを場に捨てた。
「ゴメン、私の勝ちだ」
先生が申しわけなさそうに言った。
ガックリと肩を落とし、
もうどうにでもして・・・と思っている私の前に、
タオルを持ったママが立った。
ソレどうするの?と聞くと、
ちょっと目隠しをするわねと言いながら、
ママは私の目をタオルで塞いだ。
〜つづく
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2008.06.15. (10:08)
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